ゆかちん

アンタッチャブルズ:ザ・リターンのゆかちんのレビュー・感想・評価

3.0
フランス流凸凹警察バディもの。
よく見るっちゃあ見るけど、さすがおフランス、そこにあるテーマが社会派です。



ウスマン・ディアキテ警視正 (オマール・シー)とフランソワ・モンジュ警部(ロラン・ラフィット)はスタイルも性格も何もかもが正反対。
かつてはコンビを組んで事件を解決していたものの、それぞれ別の道に進んでいた。
しかし、ひょんな事件に巻き込まれ、10年ぶりにコンビを組むことになり、地方の町で捜査を開始する。
平凡な事件の捜査だと思っていた二人だったが、その背後には過激な思想を持つグループによる巨大な陰謀が隠されていたーーー。



一作目を観ていないんだけど、その時はウスマンよりもフランソワの方がキャリア的に上だったのかな。でも、今作は、ウスマンは着々と出世してるのに対し、フランソワは左遷気味な位置。

フランソワは、伊達男って感じ。女性をすぐ口説いたりして。
自分でも言うてたように、白人・そこそこ裕福な家庭・学歴もある、というバックグラウンドなんだけど、いかんせんチャラフワ男子。
そこが仇になり、左遷みたいになってたよう。
でも、捜査となれば結構鋭い指摘とかしてるんやけどね。
フランソワ役のロラン・ラフィット、初めて観たけど、しっかりしたお顔立ち。俳優顔というか。
でも、ユルフワでチャラくて鼻につく独身男子って感じもよくでててよかった笑。
なんか信頼しにくいというかw、普通の人に嫌われそうな要素はあるんだけど、なんだか憎めない。優しかったり正義の心があったりするところがさりげなく出てた。

ウスマン役はオマール・シー。
オマール・シーにピッタリな役やなって感じでハマってた。
誠実さもあるし、正義感も強い。
でも、警察としては結構強引。仕事をやり遂げるためには暴力的な行為も辞さない。
でも、女性には奥手。
息子を一人で育てている。

絶対合わないようで、なんやかんやでお互いを気にして惹かれあってるバディ関係って面白いなぁと今作もなりました!
2人で会話してるの面白いし、どこかかわいい。
マも良かったりして。

フランス語もっとわかれば、ジョークももっとわかるんだろな。
字幕になってない言葉もたくさんありそう。

テーマは人種差別。
ヨーロッパの方がキツイところもあるんだろうか。


最初、警察がウスマンを広報になるようにSNSやCMに出したいというのは、黒人だからか?てウスマンが言ったの、最近のポリコレへの皮肉かしらん。

あと、地方の町での白人至上主義。
極端にしてるとはいえ、フランスでもあるんだろうか。KKKみたいな雰囲気もあった。

そして、狭いコミュニティの腐敗。
狭いコミュニティだから、権力者が現れたら警察から何からなぁなぁになって汚職もなんのそのってなる。地域に住む人も、なんとなく心地よいならおかしくても疑問を持たなくなる。

麻薬や人種差別、閉鎖的なコミュニティなどを扱いつつ、終始ユーモアやマヌケさすら感じるようなクスっとする雰囲気が漂う。

でも、アクションというか、そういうのは結構力入って派手やった笑。
カーチェイスというのか、車で追いかけるやつは大丈夫かいなってくらいガンガンしてたし、爆発とかもなかなか。
おまけに、死体や死に方がB級な感じでグロい苦笑。

いやそんな首ポーンて…で、その血が車のフロントガラスに落ちてきたのを無言でワイパーでふくて。
お下品かつグロいんだけど、なんかそこそこの品は保つ不思議なフランス感w
…いや、そうでもないかw

あ、ゲームセンターやスーパーでのミニカーの追いかけっこも迫力があってよかったな。


色々とドタバタしたけど、なんとか解決して、お互いの存在を大事に思う友情が深まって良かった。

「君と死にたくない」の真意をポソポソ言うフランソワと、それに対して、「独りにしない」て言ってあげるウスマンの関係がとても良きでした。


あ、結局広報的なキャラになったのは…ていうオチも良かった!笑笑


たまにこういうの観たくなる♪
似たようなテーマでもアメリカ作品とまた少し違うとこも面白かった。

フランス語は心地いいな。
ゆかちん

ゆかちん