サトタカ

HUSTLE ハッスルのサトタカのレビュー・感想・評価

HUSTLE ハッスル(2022年製作の映画)
4.8
ジャケが地味すぎて損してる!

今までけっこうな数のアメリカのバスケ映画を見てきたが、この映画のプレイシーンの臨場感、リアリティはずば抜けている。

元フィラデルフィア76ersのスカウトマン、スタンリー・シュガーマン(アダム・サンドラー)がスペインで見つけたバスケットボール・プレイヤー、ボー・クルーズ(フアンチョ・エルナンゴメス)。彼は2mを超える長身で両腕が長く、ブロックもできればスリーポイントも打てる万能選手。スタンリーが走り込みやゴール下のコンタクトプレイの特訓をして、実力はさらに伸び、順風満帆かと思いきや、隠された過去が暴かれ…悪戦苦闘するスタンリー。

そんな話なのだが、フアンチョ・エルナンゴメスがやたら演技がうまい。すごく自然。バスケシーンもかなりカッコいい(もちろん撮り方もいい)。アダム・サンドラーはうまいに決まってるが、ギャグに頼らず抑制を効かせて追い詰められたスカウトマンを熱演。奥さんテレサ(元ラッパーのクイーン・ラティファ)の眩しい笑顔、元NBAの名プレイヤーを感じさせないケニー・スミスの佇まいなど見どころがいっぱい。

トラッシュトークでボーを惑わすアンソニー・エドワーズ(ミネソタ・ティンバーウルブズのスタープレイヤー。2001年生まれ)も惚れ惚れするほど憎らしい演技を見せてくれ、かなり盛り上がる。

舞台がフィラデルフィアということもあり、『ロッキー』ネタが入るところなんかニヤッとさせられた。

ドクターJ(元76ersの名フォワード。ダンクを芸術に高めた)が元気な姿を見せてくれるのも嬉しい。
ちょい役ながら、ダーク・ノヴィツキー、アレン・アイヴァーソン(元76ersの得点マシーン)、シャキール・オニール、ルカ・ドンチッチ、グレン・ドク・リヴァース、チャールズ・バークレー、マーク・ジャクソンなど懐かしのスター選手も登場(最近のプレイヤーはよくわかんないんだよね😅NBA観てなくて)。

「Never back down」絶対に引き下がるなというセリフには泣かされる。Tom Petty and The Heartbreakersの「I won't back down」という曲を思い出した。(1989年リリース)

バスケ好きな人にはもう絶対的におすすめ。「エディー勝利の天使」「ラスト・ゲーム」「コーチ・カーター」「グローリー・ロード」「アンクル・ドリュー」なんかとは比べものにならない(個人の感想です)。バスケのスピード感表現は最高、その上プレイヤーの肉感、重量感すら伝わってくる(気がした)。

プロデューサーに名を連ねてるレブロン・ジェームズ(レイカーズの現役スーパースター)の力もあるのかね?

唯一文句を言いたくなるのは、ボーの緊張を和らげるためにスタンリーが話したクライド・ドレクスラーのエピソード。ドレクスラーが試合前に緊張で2度失神したことがあるという話。本当は失神していたのは奥さんのテレサということなんだが、全盛期のMJと真っ向勝負したドレクスラーさんをムダにいじらないで😂
背番号が「22」だったってことぐらいしか共通点ないし…。出てくれればまだよかったんだけど。
サトタカ

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