夜勤に励むシングルマザーの看護師エイミー（ジェシカ・チャステイン）。ある時、経験豊富な男性看護師チャーリー（エディ・レッドメイン）が同僚として配属される。しかし、それ以降、不可解な患者の死が相次いだ——。
その患者の不審死の原因は、予想の範囲内。驚きは少なかった。
むしろ、その死の原因をいかに白日の下に晒すか、仮説を裏付ける証拠の収集に主眼を置いた印象。
確かに患者の遺体は遺族のもとに返され、その後は葬送される。証拠となるものが残らない。
立証が困難なのも頷ける。
思いのほか淡々と進むため、個人的には少し冗長に感じたが、主演二人の演技は見応え十分。
特に、男性看護師チャーリーを演じたエディ・レッドメインの告白シーンには見入った。
本作は、実話をベースにしているのが恐ろしいところ。真相は闇の中で、実際には400人以上の患者が不審死を遂げているとも言われているらしい。
無保険のヒロインが適切な医療を受けられない様子や、患者の死の原因を隠ぺいしようとする病院の体質など、アメリカの社会問題も色濃く映されている。
リアリティに富む内容が、却って恐ろしさを増長させる作品だった。
