アン

ユー・ピープル ~僕らはこんなに違うけど~のアンのレビュー・感想・評価

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ヨーロッパに行くと黄色人種がよくて空気扱い(あなたたちアジア人には差別もしてなければ、差別も判らないでしょ)、悪いと無意識の差別を受けますが、そもそもアジア人(日本人)はなぜかスタンスとして白人の側に立っているひとが多いような気がします。

この作品は正直とても難しい。今年観た作品の中でダントツで難解でした。
生まれ育った環境の中で形成された差別意識ではなく、"差別観"とでも呼ぶものが人種間の対立を理解することを許しません。
なぜかそうですが、個人間の付き合いは親密なのに、グループになると途端に対立する姿勢を持ち出そうとする。日本人と韓国人にもあります。ボクと友人間にもです。なぜだかわかりませんが、白人が聴く音楽だとか、黒人が行く店だとかそういったナワバリをやたらと持っています。

この作品で扱ってるyou peopleといったグループ化、一般化がコメディかのように映っておりますが、その実これを笑えない人たちがたくさんいるのが現状かと思います。
歴史を持ち出し攻撃的になるのも、無知で過去に起こったことを知らないで話を持ち出したりすることはどちらもナンセンスだと思っています。友人間、恋人間、夫婦間の喧嘩でもそうですが、一番の問題なのは相手の話を聞かない(知ろうとしないこと)です。自分たちには関係ないことだという意識は捨てて、どちらのことも理解はしきれないまでも知るアティチュードは持っていきたいですね。
よってこれを評価する立場に白人でも黒人でもないボクにありません。

人種を無視したコメディとして捉えるのであれば、スパイスが利いた作品で楽しめます。

当事者同士の良好な関係(個々人の関係性から築かれるステレオタイプに囚われない関係)が拡大し、グループ間でも同じようになることを切に願います。
バスケのシーンのように…
アン

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