セサミオイル

スパイダーヘッドのセサミオイルのネタバレレビュー・内容・結末

スパイダーヘッド(2022年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

一見パーフェクトに見えた絶対服従な主従関係がひとつのほころびによって一気に崩れてゆくというストーリーだが、
脚本家が仕込んだそのほころびが見え透いててサスペンスとして弱すぎる。
背中のアダプターが壊れやすいとか、研究チームが2人だけとか、屈強なガードマンがついてないとか、世界を揺るがす研究開発をしてる割に警察呼ばれたら全部チャラとか、、条件さえ整えばサルでも突発できる事が多い。偶然たまたま好きに使えるクルーザーが停まってるとかなんなのw
もうちょい高次元な頭脳戦を見せてもらいたかった。
主人公カップルが過去に犯した罪も事故の類で実は刑期も終わってたとか、あれだけの薬を日々投与されて副作用がないとか、ゆるゆるでご都合主義な感じも拍子抜けしてしまった。
途中でマッドサイエンシスト怖ぇ〜〜!こんなの世に出回ったらどうなるんだ!?2022のアメリカ映画はイカれてるなーー!とか面白い箇所もあったけど、行って欲しい方向に行ってくれなかったんだよなー。
音楽は合ってる合ってない置いといて選曲自体がすげぇ良かったwww
扱ってる題材がドラえもんの秘密道具のようにチートで使い勝手もよさそうなので俺だったらこう使うという妄想を掻き立てられる。
モードはラブと言語と恐怖心増強とバカ笑いと満腹中枢破壊、隠しモードで絶対服従。。このラインナップも弱い。「多くの人々の命が救える」という台詞にいまいち掛かってない。
その台詞自体が嘘なんだけど嘘としての説得力がない。

言語増強だけ他と種類が違いすぎて謎だしこういうモードがあると紹介されただけて物語の中でいまいち活かされてない。投与され口が達者になると同時に妙に冷静になるのも謎。
ラブモードは普通にポルノで短絡的。完成するまでにその程度の実験はやってきたんじゃないの?という疑問も湧いた。
バカ笑いモードも大麻レベルの使い方しかされておらずしっかりとした使い方まで提示して欲しかった。
満腹中枢破壊モードもそれ自体が謎だし、最後の食物倉庫の鍵のシーンはお粗末だった。あのシーンのせいで投与後15分で効果が切れるという設定がブレた。
それぞれの要素がひとつに集約されてなくてバラバラで映画が散漫になってた。

最初の1時間は良かった。
ドローンで大自然を映したのは見応えがあった。でもそれはエクスマキナでも見た。
吹き替えの演技が迫力あった!


脚本は大好きなデッドプール
監督はトップガンマーヴェリック
2人のホームランバッターが豪快に空振りしたような感じ?

ビールのお供には悪くなかったけど、点数が低いのは途中まで面白くて期待させてスカされた為。これは罪深い。