衝撃的な一撃を喰らった。
同性愛が法律で禁じられ、禁固刑で罰せられる世界がかつてあったこと自体も衝撃だが、自由を奪われた牢獄の中でも過酷な状況が続き、人としての尊厳を失っていく。
さらりと描かれているが、アウシュビッツでも同様のゲイへの人種差別があり、その流れも汲んでいる。
鑑賞前に想像していて内容を大きく裏切られる内容だったが、別の角度からかなり重めの一撃を喰らった感じ。
自分を偽ることなく、真正面から戦っていく主人公のハンスが最後に辿り着く”自由”とはなんなのか。
法改正によって、自由が解放されたようで、そこには社会の目を盗んで盛り場に集まってくる”日陰”であり、本当の意味での自由はあったのだろうか。
ラストの投げ掛けに、さらに重めのもう一発喰らった感じ。