自分はほとんど川北監督を知らないが、それでも後半川北監督にしか見えなかった。
今までの作品同様、高校が坂の上にあり、必ず下校のシーンで下り坂になる。自分も坂の上に高校があったから、そのエモさは実体験に補強される。
ライフステージの変化でだんだんと人が離れていってしまうこの寂しさ、監督は自分の一歩先を歩んでいる気がして、自分の二、三年後を見ているようで、心に響いた(監督は自分より少し年上なので一歩先なのは当然といえば当然)。
前作と比べてだいぶ丸くなっているのであの川北さんの魂むき出しみたいなのは楽しめなかったが、随所に現れる神奈川への愛と飾らない素直な青春の切なさは確かにあった。