『万年太郎』に続く高倉健の太郎シリーズ2作目。源氏鶏太から離れた棚田吾郎のオリジナル脚本で、田舎から出てきた健さんが女性下着メーカーに就職して活躍する。久保菜穂子や岡田眞澄を話の中心に組み、見た目もおしゃれになったぶんアクション度は薄まった。
健さんが女性下着をセールスして回るくらいまではなかなか楽しいが、話が会社のお家騒動中心になると定型どおりで面白みにかける。各キャラクターの造形も前作に及ばず、端的に脚本が弱いのだが、それでもアメリカやフランスのコメディ映画を手本にして湿り気のない喜劇映画を目指して努力しているのは伝わる。パステルカラーの上品なセットはフランスのコメディっぽいし、イビキで枕が宙を上下するカートゥーンぽいナンセンスはジェリー・ルイスの映画を思わせる。