表現主義の代表作ですね。
現在までに亜流は沢山出たと思いますが、本作を超えた作品がどれだけあるのでしょうか。
見どころはやっぱり、歪んだセット美術!
青年が語る回想パートは平衡感覚も遠近感もめちゃくちゃなハリボテ。これは非現実ですよと分かりやすい。
原題の『カリガリ博士のキャビネット』つまりチェザーレを眠らせていた棺も歪んでいました。この世界観が実に絵画的で良い。
そして光と影の使い方も独特。
アイリスで場面展開したり(多用しすぎて笑ってしまった)、殺人シーンをシルエットで表現したり。白と黒のバランスも良くてキレイだ。
ハリウッド映画みたいに分かりやすい作品じゃないと受け付けないよ〜って人にはイマイチかもしれませんが、私にとっては結末を知っていても何度も観たくなる作品の1つです。