炭酸煎餅

カリガリ博士の炭酸煎餅のレビュー・感想・評価

カリガリ博士(1920年製作の映画)
4.0
大昔に一度観たはずながらもすっかり記憶が薄れていて、何か抽象的な映画だったような……?みたいな印象しか残ってなかったんですが、改めて観てみたら実は(?)現代でも通用しそうなしっかりした筋立てのあるミステリ(サイコサスペンス?)だったので驚きました。(見返してみると「ドイツ表現主義」という前衛的芸術ムーブメントの潮流にある作品で、セットのアーティスティックで舞台劇的な作りに引っ張られたんだろうな、と……)
100年も前の作品にネタバレもなにも無いような気もしますが、もしご覧になられるのであれば「まー古い映画でしょ~?」くらいの気持ちで観たほうが楽しめるのではないのでしょうか。

画質とか解像度とかいう概念以前の制作の、しかもサイレント映画なので、現代の感覚だと映像とたまに出る字幕だけでストーリーや状況を理解するには集中力が要求されると思いますが、ダリオ・アルジェントやティム・バートンへの影響も見て取れる、映画史的にも観ておいて損はない作品だと思いました。
炭酸煎餅

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