イチロヲ

人妻 口いっぱいの欲情のイチロヲのレビュー・感想・評価

人妻 口いっぱいの欲情(1989年製作の映画)
3.5
夫の不倫を目の当たりにした若妻(川奈忍)が、重度の記憶障害を起こした状態で、見知らぬ青年の寵愛を受けてしまう。トランス状態に陥った若妻の性体験を描いている、新東宝配給のピンク映画。別題「発情妻 口いっぱいの欲望」。監督は鈴木敬晴の変名。

ドラマ本編は、ヒロインに対する接触事故を引き起こした、サラリーマン(中根徹)の視点で進行する。訳ありの人妻であること、過去の思念が甦っていることを察しながら、自宅監禁行為に手を染めてしまう。

ヒロインの謎かけのような言葉を耳にしながら、得体の知れないセックスに没入する、というシチュエーションがあまりにもエロい。"陰りのある女性像"に心惹かれていく様子が、官能的に描かれている。

"食って、ヤッて"をひたすら繰り返して、恋狂いの果てに玉砕する、いつものパターン。どこか神代辰巳作品を想起させるような作風になっており、夫(下元史郎)と不倫相手(岸加奈子)のねちっこい濡れ場も見応え満点。
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