カトー

REBEL MOON ー パート1: 炎の子のカトーのレビュー・感想・評価

REBEL MOON ー パート1: 炎の子(2023年製作の映画)
2.2
スナイダーズ7

ザック・スナイダー版スターウォーズって触れ込みだったからどれだけ壮大でバイオレントな絵画的SFを魅せてくれるのかと期待してたけど... なんとも言い難いびみょーな映画だった。2部作の1作目とはいえこの不完全燃焼感はしんどい。

ビジュアル全振りなのは良いけど相変わらキャラの背景とか展開だったりビジュアル以外の部分が貧相で説得力がないせいで魅力を感じない。仲間集めパートと総力戦パートをわざわざ2作に分けたってことは1部の本作の成功はキャラのアンサンブルとキャッチーさにかかってると思うんだけど、残念ながらその肝心な部分こそが本作最大の弱点になってしまっていた。声かけたらいつの間にか仲間になってる即席チームに全くワクワクすることはなく、故にこちらの感情が1ミリも動かない。過去作の『アーミー・オブ・ザ・デッド』もそうだったけど、仲間集めパートがダイジェスト感ありありでビルドアップが下手すぎるのよ。

仲間集めモノはJLスナイダーカット、AotDに続いて3作目だし、普通は回数を重ねるごとに洗練されると思うんだけど... そうはならない。まあそこがスナイダーらしいといえばらしいんだけど。で、スナイダー映画のハイライトとなるビジュアルだけど、本作はすごい印象に残るかと言われると...。過去作ほどの強烈に脳裏に焼き付くパンチ力はなかった。世界観の壮大さには凄まじいポテンシャルをかんじるけど、イマイチ活かしきれてない印象。カッコeeeさが足りないです。

スナイダーといえばそのキャスティング力も魅力の一つだけど、本作のキャストは見てくれだけならパーフェクト。主役を演じたソフィア・ブテラはクールで最高だったけど、ソフィア以外は全然活躍しないせいで俳優たちの無駄遣いっぷりが悔しい。せっかくジャンル映画好きにはグッとくるキャストを揃えたのに、勿体無い。特に個人的にめちゃくちゃ好きな俳優が無惨にも使い捨てられてビックリ。ストーリーのツイストとしてはうまく機能してたと思うけど、もう少し丁寧に処理して欲しかったところ。スナイダーと彼のコラボにワクワクしてた身としては辛かった。『シャザム 』のジジイからムキムキになったジャイモンもパート2でゴリゴリに暴れてほしい所。

本作のアクションは総じてあと一歩って感じでモッサリ具合が気になった。バリバリにスロー利かすところはスナイダーっぽいんだけど、やっぱりアクショの魅せ方は『300』とか『ウォッチメン』みたいなスローからの早回しパターンじゃないと燃えない。『ガフールの伝説』のエレガントさも復活してほしい。

てことで、スナイダー教の信者としては厳し目な評価だったけど、期待が大きかった分ガッカリだった本作。パート2はもっともっと全力で殴りかかってきてほしい。DC版も期待してる。

そういえば、ジャンキーのスコアが『MMフューリーリード』+ 『ZSJL』てな具合で笑った。ドドドドッ ドドドドッ🎵ってリズムほんと好きだよね。
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