R

REBEL MOON ー パート1: 炎の子のRのネタバレレビュー・内容・結末

REBEL MOON ー パート1: 炎の子(2023年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

自宅で友人3人と。

2023年のアメリカの作品。

監督は「300<スリー・ハンドレット>」のザック・スナイダー。

あらすじ

暴君バリサリウス(フラ・フィー「スクルージ:クリスマス・キャロル」)率いる「マザーワールド」の軍勢の脅威に晒された銀河系周辺の平和なコロニー。人々はこの脅威に立ち向かうため、謎の過去を持つ1人の女性コラ(ソフィア・ブテラ「マーズ」)に希望を託す。そして、コラは近隣の惑星から力を持った戦士たちを集めるために銀河をかけた戦いに挑む!!

みなさん、あけましておめでとうございます🐲!!

2年前くらいから年初めは年末のNetflixの話題配信作品を観る流れが個人的に出来ていて、今年は各媒体でも大々的に宣伝されたビッグバジェットの本作をチョイス!!

結論から言うと…いやぁ、マジか。あれだけNetflixにとって過去最高クラスの宣伝して、こっちの期待を高めておいたのに…全然面白くねー笑。

と言うわけでお話はあらすじの通り、言っちゃえば、「STAR WARS」に「七人の侍」を掛け合わせた和洋折衷の「プロットだけ見たら」味濃ゆめのSF。

まず、冒頭からすごい。仰々しいナレーションの後、「REBEL MOON」のどでかいタイトルが画面からスクロールからの、のっけのショットはでっかい惑星をバックに農作業しているキャラクターを引きで撮ったショットと…いや、どこのSTAR WARSですか笑?いくらなんでもスターウォーズ感が冒頭から過ぎる笑。

まぁ、それもそのはず。元々経緯としては監督であるザック・スナイダーが本作のアイディアで新サーガの一作をプレゼンしたものの、目下ルーカス・ディズニーフィルムには採用されず、泣く泣くNetflixと組んで新たな作品として打ち出したのが本作だったとか。いや、監督未練タラタラじゃねーかっ!!

で、今作、その後オマージュである「七人の侍」よろしく七人の戦士が登場するんだけど、やはりその中核を担う戦士コラを演じたソフィア・ブテラは良かった!!顔立ちこそ、個人的には「ONE PIECE」に出てくるミス・マンデーにしか見えない、つまり未だにヒロインとしての魅力がイマイチよくわかんない女優さんなんだけど、元々のクールな眼差しとキャラとしてのバックボーンから、どこか常に悲観したような目線で憂いを讃えている表情が抜群で、だからこそ、初めてマザーワールドの兵士たちに反旗を翻すシーンで行われる多対一の肉弾戦の所作の勇ましく戦う様にはブチ上がった。

で、他にも宇宙船の元パイロット(所作含めて完全にハン・ソロ笑)のカイ(チャーリー・ハナム「トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ ・ケリー・ギャング」)、こんがり小麦色に焼けたマッシブな肉体美がすごい、元王子のタラク(スタズ・ネアー「ロッキー・ホラー・ショー タイムワープ・アゲイン」)、マザーワールドに対抗する反乱軍の戦士ダリアン・ブラッドアックス(レイ・フィッシャー「ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット」)、マザーワールドの軍隊「インペリウム」の伝説的な元将軍のタイタス将軍(ジャイモン・フンスー「グランツーリスモ」)などなどが出てくるんだけど、中でも個人的に、というか多分「観ている人の大半が」印象的なのが、中盤で仲間に加わる、あのペ・ドゥナ(「あしたの少女」)演じるサイボーグ剣士、その名もネメシス!!特徴的な烏帽子みたいな帽子を被り、腰に2本の刀を刺した、見るからに「和」な剣士ながら、どこか暗い印象を持つ剣士なんだけど、その後戦うクモのモンスター、ハルマーダ(ジェナ・マローン「アンテベラム」)戦ではその帽子を脱ぎ去り、真っ赤なバンダナ姿と両手に2本の刀を持って戦う(一本足りないけどゾロ??)ケレン味溢れるアクションがカッコいいんだけど、中でも注目なのはその戦いの終盤ではなんかその刀が真っ赤な闘気を帯びて発光して、ギンッ!と頭上に振り上げたりするもんだから、完全にモンハンの双剣です笑。いや、カプコンに訴えられるんじゃないかってくらい、ジョヴォヴィッチ主演の実写「モンハン」よりも双剣してて思わず笑ってしまった。

といった感じで集められた七人の戦士たちがマザーワールドという強大な敵に立ち向かうスペースオペラと「側」だけ観たらめちゃくちゃ楽しそうな作品じゃないですか?でも、全然そんなことねぇー笑。

まず、何より肝である七人の戦士たちのキャラが薄すぎる。コラだったり、ネメシスだったりと主に女性キャラはそれなりに印象的ではあるんだけど、まずこういうのってキャラごとに闘い方に特徴があったりするじゃないですか?それが全然ない!そのほとんどのキャラは大体エネルギー弾を放つ未来型銃器を使って戦ってて、それでいて別にその戦い方になんら特徴がないので、ただちょっと強い普通の戦士に毛が生えた程度にしか見えない。だから、良くも悪くも仲間の中では唯一刀使いのネメシスの印象がモンハンチックな戦い方含めて際立っちゃってる。タイタス将軍なんて、あれだけ伝説伝説と持ち上げられてたのに、いざ戦うとチュンチュンやってるだけという肩透かしでほとんど印象に残らないから驚く。そのくせ、ひとまずの戦いが終わった後、誰よりも仲間を鼓舞してて、演説だけは一丁前だな笑!後、コラが乗ってる足場お前も引っ張らんかいっ!!

あと、本家「七人の侍」よろしく何人か犠牲になって、離脱したりするんだけど、いやこういうのって大体一作で終わるから生き死にの美学が描けるのであって、二部作にするんだったら、まだその段階描くんじゃなくてそれぞれのキャラの掘り下げだったり、強さ描いた方が良くね?だから終盤に登場するブラックアックス弟なんか、ろくに印象に残らないまま、凸って死んじゃって(しかも、キャノン砲を撃つ他よりちょっと目立つくらいの兵士に苦戦してやられる)、全然感傷的にならないよ!!

あと、完全にネタバレだけど、カイが実はマザーワールドとつながってて、裏切り者だった!という展開は確かに意外性があるものの、こういう敵が味方か言動の不確かさもあって、グレーラインのキャラって実は裏切ってるように見せかけて…とかじゃないんだ!普通に裏切って、その後やられちゃって、それなりにネームバリューのあるチャーリー・ハナムが普通に退場しちゃっててマジで悪い意味で驚いた。

あと、「七人」というチームの構成もそんな感じの裏切りだったり、犠牲だったりで抜けたり入ったり目まぐるしく入れ替わるもんだから、え?結局のところ今誰がチームにいるの??と混乱してくる。しかも、コラと村を一緒に出て、出ずっぱりのガンナー(ミキール・ハースマン「クリスマスとよばれた男の子」)なんて、普通の農夫、つまり戦士じゃなくてパンピーだからね!しかも、序盤でこいつのせいでコラの村の村長死んでるし!!こういうキャラってMCUのコールソンじゃないけど、その犠牲があって初めてチームが結束するためのキャラとかじゃないんだ!普通にチームにいるんだ!!すげぇ新鮮!!

そんな感じで肝心の「七人の侍」要素がすげぇ大雑把でこれだったらまだ本家スターウォーズのスピンオフ「ローグ・ワン」の方がキャラの個性も強かったし、よく描けてたよ。これだったらルーカスフィルムがアイディアを却下したという判断は正しかったと言わざるを得ない…。

そんな感じでその後の戦いも特に印象に残らなかったし、エド・スクライン(「モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン」演じるノーブル提督との最終決戦もなんかプロレスにしか見えなかったし、かつ「アバター」に「ターミーネーター」「ウルヴァリン」とここまでやってんだからバレへんバレへん!なオマージュ(というかパクリ)しまくりの復活からの続編に続く!なオチ含めてPART2こんなんで大丈夫なの?と不安に感じる幕切れ。

そもそも仲間加入パートも、あれだけすんなり仲間に入るくせに時間がかかっちゃってる分、肝心のアクションパートが少ない上に、そこまで印象に残らないものばかりになっちゃってて、村パートのやたら助長的な感じに時間を割きすぎなところも含めて明らかに時間配分も間違っちゃってるよなぁ。

いやぁ、あれだけ宣伝などでハードル上げられてた分、この結果はだいぶがっかりする出来。まぁそりゃNetflixが作ってる分、金もかかってるしルックは大変良いので最後まで観ることはできますが、それにしてもこれ本当にザック・スナイダーが作ったんか?と首を捻らざるをえない。

うーん、金かけりゃ良いもの作れるわけじゃないんだなぁ…笑。
R

R