かたゆき

REBEL MOON ー パート1: 炎の子のかたゆきのレビュー・感想・評価

REBEL MOON ー パート1: 炎の子(2023年製作の映画)
3.5
ここは、強大な皇帝が宇宙の隅々まで支配する銀河帝国マザーワールド。
だが、そんな帝国に不穏な空気が立ち込め始める。
絶大な権力を有していた王家が軍の謀叛により皆殺しにされてしまったのだ。
そんな混乱の隙をついてレジスタンスが各地で反乱を起こし、帝国は新たなる戦乱の時代に突入しつつあった――。
辺境の小さな星で日々農業を営み、貧しいながらも平穏な暮らしを送っていたある村にも暗い影が忍び寄る。
帝国の巨大な艦船が幾多の護衛艦を引き連れ、村の上空に現れたのだ。
屈強な兵士を何人も従え村へと訪れたノーブル提督は、村長に村の穀物を帝国のために引き渡せという無茶な要求をしてくるのだった。
「そんな、食料がなくなったら我々は餓死してしまう」
決死の思いでそう訴える村長を無情にも殺した提督は、10週間後までに村に備蓄してある食料の3倍の量を用意しておけと言い残し去ってゆく。
一部始終を目撃した村の若い女性コラ。
過去を捨て静かに暮らしていた彼女は、村を救うため広大な銀河へと旅立つ決意をするのだった。
自分たちと一緒に戦ってくれる勇敢な英雄たちを求めて……。

独創的な映像と唯一無二の世界観でハリウッドのエンタメ映画界を牽引するザック・スナイダー監督の最新作は、黒澤明の名作『七人の侍』からインスパイアされたというスペースオペラ大作でした。
リアリティなんてはなから度外視、とにかく拘りに拘りぬいた映像を撮らせたら右に並ぶものがないこの監督の大ファンである自分としてはけっこう期待して今回鑑賞。

いやー、これがもうまんま七人の侍で思わず笑っちゃったわ。
貧しい村を救うために七人の戦士を求め主人公たちが馬を駆って旅をするシーンなんてそのまんまやし。
でも、設定をSFに変えるだけでここまで変わるのかというくらい印象がからりと変わっちゃうのはやぱ面白かったですね。
2部作ということで今回は7人の戦士たちを集めるために旅するというのがメインのお話になるのだけど、出会う戦士たちがどいつもこいつも中2病感溢れる個性が炸裂してて大変グッド。
グリフィン使いの奴隷戦士や二刀流のクールな女剣士、今や酒浸りの元帝国軍将軍なんてめっちゃくちゃベタなメンバーだけど、やぱ彼らが徐々に集うシーンはテンション上がっちゃいますわ。

対する悪役の帝国軍も負けず劣らずキャラ立ちしているのも良いですね~~。
特におかっぱ頭で触手好き?なノーブル提督の気持ち悪さはもう振り切ってて素晴らしい!
ここら辺、おたくでならしたザック・スナイダーの面目躍如って感じですね。
クライマックス、宇宙船を舞台にした彼らのバトルは相変わらずのド迫力で素直にハラハラドキドキ。
いやー、面白かった。
村を守るためにいよいよ故郷の星へと帰ってきた七人の戦士たちの戦いは、完結編である次作に持ち越し。
うん、楽しみにしとこ♪
かたゆき

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