このレビューはネタバレを含みます
個人的持論として映画を語る映画にハズレはないというものがあります。
例えば、なぜ人はフィクションに感動させられるのか?その病理を描いたマルホランドドライブがそれです。
そこいくと本作も大傑作と言って良いんじゃないでしょうか?
本作は映画界が行ってきた搾取を描いていてそこにジョーダンピールらしい今までの作家性を観てとることができます。
しかし、それ以前にこの映画は怖いもの観たさという映画を観る基本的欲求にも鋭い批評性を剥けている気がします。
(これは同時に制作陣の見せたいという欲求にもですが)
つまりデビットリンチがブルーベルベットで描いた危険だと分かっていてもやめられないだからこそ止まらない人の観たいというどうしようもなさです。
UFOをショーにしてしまうなんて…かつて映画界にはキングコングを見せ物にした人はいましたがUFOとはもういくところまでいってますね
もうこのどうしようもなさを映画館のスクリーンでお前まだと指刺されたから抗えないです。
冒頭のチンパンジー、カメラ目線になって見ていた先には当然あの子役がいたのでしょうがさらにその先の我々観客の事も見ていたのだと思います。
ジョーダンピールこの批評性とエンタメを絡めた路線で行って欲しいです。
いやここにきて監督としての腕を上げた感ありますねー凄い!