える

NOPE/ノープのえるのネタバレレビュー・内容・結末

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

僕は今までこの監督のこと誤解してたかもしれん…。
率直に言うとバカクソ面白かった。僕の琴線で一曲掻き鳴らされた。このレビューに☆4.5をつけようとしている自分とほんまか?と思っている自分がいる…。後で冷静になったら修正するかも。

一応確認ですけどこの映画邦題は『NOPE』ですけど、原題って『シン・ウルトラQ』で合ってますよね?

『Us』や『ゲット・アウト』はなぜかホラー映画だと聞いて観たので、ホラー映画としての視点で観たし、その上でホラー映画なんか?これ?という感想になってしまったが、今回は事前知識無しだったため、ニュートラルな視点で観れた。序盤はとにかく気味の悪い映像、音楽、シチュエーションで観客の不安を煽って、正体の知れた後半でそれと対峙する、という構図。今まで観てきた映画のまんまで、これだったのか!と。この監督が撮っていたのはずっとこれだったのか!と。

大興奮のままエンドロールをぼんやり眺めてたら、そういえばチンパンジーの件何だったんだ、という疑問が湧いてきた。エンドロールを眺めながら自分なりに落とし込めたのは、作中でも触れられていたが、要は飼い慣らせない動物は殺すしかないってことなんだと思う…。どんなに人々の注目を集めるスターだったとしても、人間に危害を加える以上殺さないといけない人間のエゴ的な示唆だったんじゃないかなぁ。

そして唐突の『AKIRA』オマージュには割とシリアスなシーンだったけど笑ってしまった笑

この監督音楽の使い方がうまいよなぁ、と何度も思った。

疑問が残るとすれば、最後なんであのバルーンを食べようと思ったんだろう…。でっかいご馳走だと思ったのか、それなら1回目の襲来のときに気付かなかったのか。

まあでも、それも粗探しみたいなもんで、映画自体は、素材の味たる本筋と、調味料である諸情報が見事にマッチしていて至高の料理へ昇華していることは疑いない。

アイディアの突飛さが、何処か授業中に学校にテロリストが来たときのことを妄想する中学生に通づる所があるような気がして、それが本気で映画になったらこういうことなんだなぁ、という視点でこの監督の作品を今後観ていきたい。
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