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NOPE/ノープのmitzのレビュー・感想・評価

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
3.5
ジョーダン・ピール監督が描く映画史のど定番である未確認生物(≒地球外生命体)作品。
牧歌的な親子の日常から突如起きる異常事態までを描いた冒頭10分がとにかく素晴らしく世界観に引き込まれます。そして煽りに煽ってから「アレ」の出現までを登場人物を最低限に抑えた最短コースで描いています。またタイトルである"NOPE"の引用もおしゃれです。
物語は「アレ」との遭遇が起こる現在軸に対して、1998年に放送されたチンパンジーのゴーディが主役のシットコム番組の過去軸との二輪走行です。そしてこのゴーディに纏わる話が不気味で、またそれ以上に魅力的に描かれています。
残念なのはその二軸が「考察案件」としては難解で、最期まで「猿→エイリアン」の繋がりがわからぬままでした。
ストーリー自体はやや尻つぼみの印象で「アレ」との対峙から結末までは至って凡庸です。ただ人々が未知との遭遇を「見せ物」として情報拡散しようとする承認欲求の表現はとても現代的で斬新です。
また一瞬ですが「AKIRA」の最も有名なシーンのオマージュがあり、また最終的には「パターン青!使徒です!」もあり、サービスサービスな演出も好印象。
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