このレビューはネタバレを含みます
凄く面白くて最後までハラハラドキドキして観てしまった。
久しぶりに「で、どうなるの!?どうなっちゃうの!?」ってなった作品でした。
途中何度バイオリンの効果音にびびったことか。
脚本、音楽、物語のテンポが凄く良かった。視覚的な演出もすごい。
寡黙なお兄ちゃんが不器用だけどかっこよく見えてきて、大きな体に静かな性格のギャップが良かった。
この先もOJお兄ちゃんが愛する馬たちとエメラルドと暮らしていけますように。
序盤は結構うざかったエメラルドだけど後半の行動力はすごい。
冷静なお兄ちゃんに対して行動的な妹の組み合わせがよかったのかもしれない。
どうしてゴーディーのくだりを出すのだろう、と思っていたけれど、OJの冷静な考察(宇宙船じゃなくて生き物そのもの)を聞いて、ジュープのショーのシーンを観て、「人間は他の生き物を完全にコントロールできない」というのを強調したいのかなと思いました。
「人間を襲うこと、人間に逆らうこと、そんなことはあり得ない(NOPE)と思っているのは人間だけ」もこの映画のポイントなのかなと。
パンフレットを読むと色んな角度からこの映画のテーマがあるようで、監督や製作のインタビューも読んでなるほどなと思いました。
特にエンジェルとホルストが2人に付き合う理由はパンフレットを読んでさらに納得。
OJとエメラルドの兄妹の関係は大きなテーマの一つだったようです。
最後のところは泣いてしまった。OJのジェスチャーもエメラルドの表情も思い返して泣けてくる。
OJの帽子の被り方が何気にツボ。
なんでお兄ちゃんは死ななかったんだろう、あれは幻影だった?ってちょっと思ったけど、馬がまだ旗を引っ掛けてたからGジャンが躊躇しているうちにエメラルドに注意を向けたのかなと思った。
「目が合うと殺される」の話をファーストフード店で話していた時、外でたむろしていた連中が喧嘩を始めたのが面白かった。きっと目が合って難癖大会を始めたんだと思う。
個人的にはラッキーがその名の通りラッキーだったなと。パークに売られても食べられそうになっても1日以上荷台に放置されても最後の決戦に付き合わされても死ななかった。
そのラッキーと一緒にいたOJも強運だったね。
とにかく見事。あっぱれな脚本。