Layla

NOPE/ノープのLaylaのレビュー・感想・評価

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
4.0
全編IMAX画角で撮影するというこだわりが活かされた広大な自然を映す迫力満点のシーン、様々な映画のオマージュを盛り込んだSF要素もあり、エンタメ映画として純粋に面白かった!とも言えるけど、それだけではない歪さやモヤモヤ感もあり。普段あまり映画を観ない人たちが予告編や、同監督の前2作からの期待値でこの映画を観に行ったら確実にぽかーんとなってしまうのではないかと思うし、シネフィル以外に理解されなくて結構よ、といった雰囲気もちょっぴり出てしまっていた気がする。

「見る」側、映画を「撮る」、つまり搾取する側は白人だけの専売特許ではないとばかりに、突然あらわれたUFO(?)を自分たちが映画に収めるんだ!と必死でカメラを回すOJとエメラルド。2人ともカッコよすぎる。

黒人の父親と白人の母親を持つジョーダン・ピール監督、「見る/撮影する」側である自分を、スティーブン・ユアン演じるジュープに投影していたかのように思えたのが興味深かったし、ジュープがメインのストーリーとはあくまでも別軸でサブキャラとしての扱いとなってしまっているのが残念。彼とゴーディにまつわるエピソードが1番怖いしゾッとするし、見たい、知りたいけど見たくないと思ったので、いっそ彼をメインのお話にしてくれていたら、もっと分かりやすいホラー映画にもなって個人的には好みだったかも…。

何はともあれ、早くも次回作品が楽しみです、ジョーダン・ピール監督。
Layla

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