劇中に登場する謎の飛行物体であるが、これまでの「ＵＦＯモノ」映画に対する観客の思い込みを逆手に取っており、「そうくるかぁ」とうならされてしまった。
また、この飛行物体の存在に気づいた主人公の日常に、ちょっとずつ「不穏さ」みたいなものが増していく描写が映画に緊張感を持たせていて良かった。
ただちょっと気になった点として、これまでのジョーダン・ピール作品は単純なホラー映画として見ても面白いし、それと同時に社会への問題提起もわかりやすく織り込まれていたが、本作については、本編と関係あるのかな？と思ってしまうシーンがあったり、謎の飛行物体が暗喩するものや、主人公たちが謎の飛行物体に対して取る行動の理由などが鑑賞中には理解できず、鑑賞後にSNSで他の方の解釈を見てようやく納得がいった点だろうか。
