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NOPE/ノープのまるのレビュー・感想・評価

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
4.0
伏線が細かいが見事に全部回収していく。
ビジュアルのみんなが夜空を見上げる画が印象的だが、まさにこれは「動物の目」を「見る」ことが大きな鍵となる。

動物と暮らす人は愛する動物と目を合わせて語りかけたりすることに慣れているし、それが良いことだと理解している。だがそれはあくまで信頼関係が確立しているからであり、初めて会う動物や野生のサルと目を合わせることは極めて危険だ。

馬の調教師である兄妹と昔、動物の撮影事故に居合わせ、唯一おそらく無傷でいられたパーク経営者。
両者とも動物に慣れているが、初対面の動物に身構えるか大丈夫だよと近づくか、対応は雲泥の差だ。
ホラーでもありSFでもあり、兄妹愛でもあり、金を求める欲望の話でもある。これまでにないビジュアルの「何か」も最高にイイ。
2時間越えの長編なのに飽きずのめり込むように見てしまった。
ゴードンはバカにされていることに反発したのだろうか。好奇の目で見られ笑われ差別された側の、差別する者への攻撃という視点で見ることもできる中々余韻の大きい映画だった。そして差別されるものも時には差別する側になるのだろう。
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