S510

NOPE/ノープのS510のネタバレレビュー・内容・結末

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

円盤そのものが生命体という発想は面白かったが、吸われた人たちが中で食われていく様子は個人的には無い方が良かったし、変形した姿がただの布でしかなくて、敢えての生物感を排除した描写だったのだとは思うが正直興醒めだった。ただ、最後にはっきり倒されたのはスッキリした。
見返すと本編の題名が出るシーンが地球外生命体の吸入する器官だから食われていく人たちの悲鳴が聞こえていたのだと分かり、なおかつフィルム撮影の幕の描写にもなっていて、初めての映画が黒人が馬に乗った姿を撮ったという話が終盤のOJが馬に乗って囮になるシーンの撮影にも繋がっているのは巧いなと感じた。

人間以外の生き物の恐ろしさを表したかったのだろうが、ゴーディ関連の描写はインパクトが強すぎて逆に浮いていたように感じたし、空の生き物よりゴーディの方がよほど恐ろしかった。
冒頭の汚物や見せ物云々の文章は本編の内容そのままだったということが鑑賞中に判明するけども、必要だっただろうかという疑問は残った。
井戸の写真で姿を収めたということは、手回しカメラのフィルムには結局映ってなかったというオチなのだと思うので、ホルストが報われなかったのは残念だった。
エムのことは正直どうでもよかったが、OJとラッキーとエンジェルが死ななくて本当に良かった。

ウォーキングデッドのグレン役の方が出ていることを知らなかったので、個人的には嬉しかった。
ゴーディの件で彼は人間以外の生き物の恐ろしさを肌で感じたのと同時に、グータッチのくだりで分かり合える可能性も感じ、本当に信頼されていると信じて地球外生命体との交信を続けていたのだろうから、何とも皮肉な最期だなと思う。
奥さんはともかく巻き込まれた子どもや、ゴーディに襲われた元子役の女性はあまりにも気の毒だった。
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