ウーピーブロンズバーグ

NOPE/ノープのウーピーブロンズバーグのレビュー・感想・評価

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
4.2
 「映画の歴史から無視された者たちのが歴史に名を残す物語」
 
 エドワード・ムイブリッヂのモーションピクチャーは超有名。しかしながら馬に乗った最初の映画スター、騎手の名は黒人故に知られていない。黒人、アジア人、子役、動物、エンタメのために一方的に搾取された、歴史から無視された、名前を消された者たちの復讐劇。
 
 「見る」「見られる」、スペクタクル大作を「見たい」という観客の欲望を嘲笑うかのような飛行物体の正体。「見てはいけない」ということから「本当に見るべきもの」を訴えかけてくるラストはとてもエモーショナルで素晴らしい。

 後半のアメリカの黄金精神である西部劇的アガリ具合はハワード・ホークスの「リオ・ブラボー」、もしくは「ハタリ!」の系譜を辿ったような感覚を覚えた。