スポック

NOPE/ノープのスポックのレビュー・感想・評価

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
2.5
戦略も計画も野心も無い未確認飛行物体が、野生の生命の当然の本能である捕食と縄張り行為を地球上の食物連鎖で最高位に君臨している人類に対しても襲い掛かり破滅するストーリー。

地球の全てを我が物とできる能力のある人類は全ての野生動物をコントロールして支配下に管理している。
日本の街中では野犬や野良猫は全て人間にとって危害があるので排除されていたり、人間の都合で食物連鎖の頂点に立つオオカミを絶滅させ、その上に他の草食動物達の餌となる広葉樹を無計画に伐採して、人間のみの経済的なエゴで他の生態のことを考慮せずに針葉樹を山奥まで植林しまくり、それが原因で餌を求めて人間の住む里山に出てきた鹿やイノシシ達を害獣と決めつけて年間に110万頭も毎年殺害できる能力を使って差別をしている。

そのように地球上で他の生き物達との勢力争いに圧倒的な勝利を収めることができ頂点に立ち続ける能力のある人間は、野生動物を手懐け調教して楽しめると思い上がり、時に反撃を食らいパニックになったときの心理を描いた作品だと思える。