たま

僕らをつなぐもののたまのレビュー・感想・評価

僕らをつなぐもの(2022年製作の映画)
4.0
みんな見えない糸で繋がってる。

LGBTQを扱いながら、家族愛や爽やかな青春ものでもある。

目を覆いたくなるようなニュースが日々流れる中、こんな愛情に溢れた映画を欲していたんだなぁと実感。

主人公レオネは、同性婚の親元で育ち「2人の父親」がいる。
特異な環境の中でも、愛情に包まれて幸せな生活を送っていた。

憧れの女の子との関係も、紆余曲折はあったものの、想いが通じていく。

ところが父親のひとりが浮気をしていたことが発覚。父親たちは喧嘩をし別居状態に。
幸せな日々が突然崩れ落ちた事に、戸惑い落ち込むレオネ。

レオネは「カクテル法」といい、2人の父親のそれぞれの精子を試験管で混ぜ、ドナーの卵子と受精させ、代理母の体から生まれた。

そのため本当の父親が2人のうちどちらか分からない。
唯一の方法はDNA鑑定だけ。
そこで巻き起こる事態がコミカルだ。

レオネは出自と向き合いながら、本当の愛情や人と人との繋がりについて考える。

レオネの家族はかなり特別な家族だけど、どこの家族でも有り得る物語。LGBTQを扱った映画が特別ではなく、普遍的なテーマを扱うようになったんだなと感じた。

父親たちの言葉がいい。
レオネが産まれてなかったら?
「考えたくもないお前なしの人生なんて」
「喜びも彩りもないモノクロの世界だろう」
「二人(父親同士)の愛は薄れたかもしれないけど、その愛が喜びを生み出した」

「最愛の息子だ。」
たま

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