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モラルセンス ~君はご主人様~のkuuのレビュー・感想・評価

3.0
『モラルセンス 君はご主人様』
原題모럴센스/Love and Leashes.
道徳的感覚(모럴센스)と愛と鎖(Love and Leashes.)、それに君はご主人様(邦題)と、国によってのカラーが出たタイトルやなぁ。

製作年2022年。上映時間118分。

Gyeoul(ギョルって読むのかな)によるウェブトゥーンの『Moral Sense』に基づいた、2022年の韓国のイ・ジュニョン、ソヒョン主演の映画。
今作品は、完璧でありながら独特の性的嗜好を持っているジフと、有能な広報活動をしているジウとの恋愛を描いているソフトSMロマンチックコメディ映画。
映画『フィフティ・シェイズ』のライトコメディ版かな。
コンセプトも良かったし、単にセックス願望に焦点を当てたものではなく、人には各々変態な嗜好は必ずあるし、それを多かれ少なかれ切望する願望を今作品ではBDSMについて描写し焦点を当ててた。
(エロいシーンはほぼナシ)
BDSM(ビーディーエスエム)とは、人間の性的な嗜好の中で嗜虐的性向をひとまとめにして表現する言葉である。
『B』…Bondage(ボンデージ拘束行為、若しくはその道具)
『D』…Discipline(ディシプリンここでは調教かな)
『SM』…Sadism & Masochism(サディズム&マゾヒズム)
パク・ヒョンジン監督がメガホンをとる。

恋愛に疎いジウ(ソヒョン)が働く部署に、ジフというイケメンが異動してきます。ジウはこっそり彼に好意を寄せました。しかしある事件がキッカケでジフが特殊な性癖を持っていることが発覚し。。。

あらすじや予告から想像するよりも、無邪気な今作品やった。
相手を理解し尊重すること、ホンでもっての他者への判断を控えることをテーマにしているんかな。
全体的に遊び心のあるトーンに、良い演技、笑かしてくれるキャラ故に(ソヒョンは可愛くてツンデレが良く似合いイ・ジュニヨンは文字通り子犬的にマンガのキャラのように見えた)、本来なら停止ボタン押してたとこを最後まで観て、結果それなりに心は動いたし面白かった。
因みに最近ネトフリに入った日本のドラマ『金魚妻』は北斗神拳永久停止の経絡秘孔を10分目で押した。
韓国作品としては、野心的すぎると感じるのも否めないが、性差別やミソジニー的な社会問題を多く抱える韓国映画界や文化にとって、一歩前進した作品といえるんちゃうかな。
加えて、全編を通しお互いの同意と尊重の大切さを強調してのはかなり好感を持てた。
因みにミソジニーとは(英: misogyny) は、女性に対する嫌悪や蔑視の事。
女性嫌悪、女性蔑視などとも云う。
ギリシア語の『μῖσος mîsos(嫌悪、憎しみ)』と『γυνή gunḗ(女性)』に由来する。
今作品は、少女時代のソヒョンが
ご主人様
となり揺れ動く心で(小生の経験不足を妄想と想像で補い膨らます女王様なら結構サマになってた)、U-KISSのジュンを服従させるという関係性を描いた今作品は、特殊な嗜好を題材にしたラブコメとして、恋愛関係とライトなSM関係の狭間で葛藤する様子も描かれてたり、加えら今作品では初めてご主人様となることへの戸惑いも感じながら、色々とBDSMについて調べ、威厳を保とうとするジウの様子とか、多分、等身大であろう姿も描かれてたし、見やすい変態映画でした。
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