脳みそ映画記録

貞子DXの脳みそ映画記録のレビュー・感想・評価

貞子DX(2022年製作の映画)
3.5
まぁいつも通り貞子がおもちゃになる映画かと思えばとんでもない。
意外にも怪作で感心してしまいました。

現在、貞子という存在はホラーアイコンの枠を超え、始球式に登壇したり、YouTuberとして活躍したり、『貞子DX』で池内博之の演じるkenshinが繰り返して言うところのエンタメとしての存在になっています。
現実としても作中としても原作の山村貞子とは全くの別のモノです。(貞子≠山村貞子)

呪い=ウイルスの拡大、増殖のために最も適した姿、別の言い方をすると人々望んだ姿になったのではないでしょうか。

そのような観点からみると、今回の『貞子DX』は「貞子らしくない。」だとか「ホラーでない。」という次元でなく、その先のエンタメの化身となった貞子の姿を明確に提示した作品です。
原作の『リング』から映画の『リング』はもちろんYou TubeなどのSNSやサンリオなどの企業コラボ、DBDなどゲーム、USJのホラーナイトなど、全ての貞子を内包したエンターテイメントという究極の存在に昇華した貞子であると言えます。


日本だけでなく海外でもその姿は映画を観ていなくても知っている存在となった今、それが呪いであれ、ウイルスであれ、拡散と拡大は成功しているのではないでしょうか。



この世界が原作小説で言うループであればとうの昔に停止しているのでしょうね。