りゅう

貞子DXのりゅうのレビュー・感想・評価

貞子DX(2022年製作の映画)
4.0
あえてつまらないギャグを連発し、滑り続けるホラー。天丼も見ていていたたまれない。
このギャグのつまらなさ、滑り具合は「トリック」と近い感覚。
この「映画の存在こそがホラー」という、メタホラーである。

ホラー・コメディ。笑いと恐怖は紙一重。
という考えに慣れてないと楽しめない。

恐らく劇場で見ていたらゲラゲラ笑っていたと思う。
この良い意味でも悪い意味でもバカなのは嫌いになれない。

◯主人公の悪手
呪いのビデオは集団で観ることで免疫を獲得するとTwitterにあげたことで、パンデミック発生。

この怖さ。コロナ禍のパニックを思わせる。
全く笑えない恐ろしさである。

◯リングのテーマ
・貞子のウイルスは天然痘と関連がある。
・主人公は頭の良さを活かして推理し、事件を解決する。
この二点でいうと、実は原作リングに忠実である。
一見バカ映画に見えるが、原作を活かしている。その点ではヒットした映画「リング」を上回っているのではないか。



◯キーワード
・偽フワちゃん
・ケンシンの胡散臭さ。
・喫茶店で騒ぐ主人公と前田に眉をひそめる他の客。
・静岡のおじさん
呪いがかかった主人公の妹のビジョンに登場。
剥げてるのだが、徐々に髪が伸び、彼女の同級生に変身。
・皆が過剰に音に反応するという天丼。
・「存在がエンターテインメント」のケンシン。
・呪いにかかると、その人にとって大切な人が近寄る幻覚を見る。主人公にとって、父との思い出が特別なものだったのに、父親の幻覚は見ず、母、妹の幻覚を見る。
と、思ったら父の幻覚は母が見ていた。なるほど。
・エンドロールも見逃せない。世界中の皆、1日に一回、呪いのビデオを見る生活が始まるのだ。これは、ウィズコロナを意識している。しかも、会いたい人に会える生活なのだ。
りゅう

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