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貞子DXの消費者のレビュー・感想・評価

貞子DX(2022年製作の映画)
1.6
・ジャンル
オカルトホラー/サスペンス/ミステリー/コメディ/ドラマ

・あらすじ
テレビで活躍中のIQ200を誇る才女の大学院生、一条文華
彼女が出演した都市伝説番組で世間を騒がせる不可解な連続事件が取り上げられた
それは巷で密かに売買されているという“呪いのビデオ”の一件
近頃、全国で発生中の連続突然死事件の元凶とされる物である
鑑賞してから24時間以内に死ぬとまことしやかに囁かれるそのビデオは20年前に酷似した事件があった事もあり瞬く間に噂は広がっていた
科学で全ては解明出来ると豪語する文華に対し、共演者の霊媒師Kenshinは呪いの実在を主張
更に撮影終了後、彼からビデオのコピーを渡されると共に解明を勧められる
初めは相手にしていなかった彼女だったが妹、双葉が興味本位で観てしまった事からやむ無く呪いを究明する事に
そこにSNSで交流のある有名ユーザー、感電ロイドと自身も鑑賞してしまった占い師の前田王司も加わり3人は呪いの“血清”を求め真相を追うのだが…

・感想
Jホラーブームの立役者である「リング」シリーズのリブート版にあたる「貞子シリーズ」5作目
ビデオ鑑賞後の猶予(今作でいう所の“潜伏期間”)が過去作「貞子3D」2作と同様に7日間から1日へと短縮されているが世界線はオリジナルシリーズと繋がっている

観る前からつまらない事は分かっていたし覚悟して鑑賞したものの予想以上にずっとスベり倒してて終始真顔になってた…w
ダメな所を挙げ始めたらキリがないけど一応、特に目立った部分について触れていく

まずはとっ散らかった世界観
今作はオリジナル、リブート両方の多くが出来はともかくホラー/サスペンスに徹していたのに対して要素がとにかく多い
ホラー、サスペンス、ミステリー、コメディ、ドラマ…
そのどの要素も面白くないのが逆に凄かった…w
恐怖演出は驚けないジャンプスケアと安っぽいCG頼り
駆け足で仮説を立て続けるせいでホラーやサスペンスに求められるムードがただでさえハナから無いのに笑えないコメディ要素が緊迫感までも消している
加えて父を失った過去やら引きこもりやら家族愛やらと欲張ったドラマ性もつまらないし陳腐
全部が悪い形で相乗効果を生み出していた

IQ200という主人公、文華の設定もうすら寒いほど活きていない
それらしい言葉と仮説を並べるだけで謎解きの面白さが成立するはずもないし半分以上の手柄が感電ロイドの物なので説得力皆無
そもそもを言い出すと著名な才女があんなコレコレと滝沢ガレソを組み合わせて都市伝説に振った様なツイッタラーと相互フォローで連絡を取り合ってる時点で何かね…
はっきり言ってどの登場人物にも魅力が無く全員がフルスイングでスベり続けてるだけなんだよな…
占い師の前田王司もキャラが寒いだけでなく思わせぶりに裏がある様な演出しといて特に何も無くただのキザでバカでビビり
霊媒師Kenshinはいかにも邦画的な胡散臭いだけのクズ
文華の家族にしても天然の母とどこにでもいる様なJKの妹でファミリー系コメディのキャラとしても弱い

総合的に評価すると「貞子3D」以上「貞子 VS 枷耶子」未満の出来という感じ
特撮的なコミカルな展開にしながらも面白く出来てた白石晃士監督の有能さをただただ思い知らされた…w
ネトフリ版「貞子」とかもそんな酷くなかったのになぁ…
オリジナル版が好きであればあるほど受け付けない駄作と言い切って差し支えない作品だと思う
邦画の悪さが詰め込まれ過ぎてて失笑しか出来ないよこんなん…
美男美女揃えただけでベースが酷ければどうにもならない事は「貞子3D」で既に証明済みなのに…

唯一の救いはネトフリで観たから金を落とさずに済んだ事のみ
まぁ普段ホラーを観ない典型的なメジャー邦画が好きな人なら少しは楽しめるのかな…?

ウイルスとして扱うならもっとコロナに絡めた内容にしてまともな脚本書いてれば多少マシになってただろうにね…
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