なお

デュアルのなおのネタバレレビュー・内容・結末

デュアル(2022年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

"ミラーマッチ"

本日の映画館ハシゴ2本目。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のカレン・ギラン主演。

死期が近い人間のクローンを生み出し、そのクローンに”オリジナル”の人生を引き継がせるという行為が合法となっている世界。
だがしかし、死期が近いオリジナルが何らかの理由で一命を取りとめた場合、世界に存在していいのは「オリジナル」か「クローン」かどちらか1体のみ---。
そんな設定も面白そうなので、それなりに期待して鑑賞に臨んだ一本。

✏️おい、デュエルしろよ
今年の3月に上映された『ガンパウダー・ミルクシェイク』はじめ、ここ最近主演映画が増えつつあるカレン・ギラン。
そして現在自分が視聴中のドラマ『ブレイキング・バッド』で麻薬の売人、ジェシー・ピンクマンを演じたアーロン・ポールも出演とあって、そういったメタ的な視点ではそれなりに楽しめた作品。

が、肝心の物語は…
決 闘 し て な く ね ?

本作の公式ホームページでも劇場にて配布されているフライヤーでも、
「オリジナルとクローン、両者の生存を賭けた決闘裁判!」
…的なことが煽り文句として書かれているワケだが、もう有り体に言ってしまうと「ワタシたち争う必要なくない?」とぬるっと和解して結局「決闘裁判」は行われない始末。

「自分vs自分」というミラーマッチを期待して見に行ったのに、肝心のカレン・ギラン本人によるアクションシーンがほぼ存在しない。
(手足が長くスタイル抜群な彼女はアクション映えするはずなのに…)

本作主人公・サラの死期が近いと知るや否や、あっさりとクローン・サラに乗り換える彼氏に母親がいたり、オリジナルとクローン同士の殺し合いが人気番組として放送されているなど、倫理観は明後日の方向に飛び血も涙もない登場人物と世界観のオンパレード。

自分が期待していたものとは完全にかけ離れた内容になっていた…

唯一、クライマックスの数分間のシーンは見る者の想像に委ね、様々な解釈が可能。
本作を見終わった後に、広大なネットの大海原で答え合わせをするでもいいし、一緒に見に行った友人と考察合戦を繰り広げるのもいいかもしれない。

☑️まとめ
物語部分が支離滅裂だったり、倫理観があらぬ方向に飛んでいてもいい。
せめて、せめて、煽り文句にもなっている「自分との決闘」くらいはやってほしかったなぁ…

🎬2022年鑑賞数:104(44)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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