これは… かなり強烈な問いかけ方の、「愛についての」作品だ。
男性と女性の、性の違いによる、理解し得ない部分…それによる衝突…そしてその時に、特に男性から女性に対して力によってねじ伏せようとする欲求…など。
アレックス・ガーランド監督はこの映画の中で、愛し合う二人に起こりうる、そういうネガティブな部分を炙り出そうとしている。
そもそも、それらの行動原理も『愛』と言えるのだろうか?
それが、エンディングで見せる二人の静かな会話によって表現されている。
(そこに至るまでの、後半の畳み掛けるようなあまりにもグロテスクな表現には、劇場内が周章狼狽気味ではあった…苦笑)
この作品の冒頭と、エンディングにも使用されている楽曲、Lesley Duncan 作の『Love Song 』の歌詞の中に、この、ともすれば無軌道的とも思われそうなストーリーのテーマと捉えられそうな言葉がある。
– – – – – –
Love is the opening door
愛は開かれたドア
Love is what we came here for
愛はここまで来た二人の印
No-one could offer you more
誰もこれ以上のことをあなたにできないでしょう
Do you know what I mean?
あなたは私のことを本当に理解しているの?
… なかなか出会えそうにないぶっ飛んだ作品であることは、たしかだ。