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MEN 同じ顔の男たちのchinsukoのレビュー・感想・評価

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)
3.4
A24らしいホラー作品

映像描写はホラーなんですが、殺意もしくは超常現象で主人公を苦しめ痛めつけるというものではありません。

主人公ハーパーは夫と口論の末、目の前で自殺されるというトラウマを持ちます。その傷を癒そうとイギリスの田舎町の別荘を貸し切り滞在を始めます。最初は別荘の周りを散策したりしますが、人影のない森やトンネルでふと人の気配を感じます。別荘に戻って友達とチャットしている最中、全裸の男が家の周りをうろつき、中に入ってこようとします。咄嗟に警察に連絡し事なきを得ますが、そこから不審な出来事がジワジワと起こり始める。という内容です。

まず、同じ顔の男「MEN」ですが、確かに同じ顔、というより同じ俳優が演技してます。これについては主人公、特にリアクションがありません。
ハーパーを襲う不審な出来事、共通して言えるのはハーパーから攻撃する事はあっても、物理的な攻撃はされません。ひたすら異様なものを見させられます。最初は恐れ慄いていますが、終盤はショックの連続に疲弊したのかノーリアクションになります。
異様なもの、特に終盤のマトリョーシカは普通に考えたらまったく意味が分かりません。何かのメタファーなんでしょうけど。
最後に友達が車で駆けつけるのですが、その姿に「オヤ?!繋がってる!」と思いました。

想像力の乏しい自分は特に考察はしませんが、印象的なのは序盤の田舎町の別荘周りの自然や、建物の描写が美しく映し出され、そこから異様なものがグラデーションの如くジワジワ入って来ます。なので始終飽きずに見れました。そして特に解のない終わりを迎えあれやコレヤと想像するに至るという感じです。
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