ジェンダー関連映画。
ラスト数十分が衝撃なので注意。
私たちが見ている世界は、ハーパーの世界であるように思いました。
・男性(配偶者)によるモラハラ・DV
・出会う男性たちの女性蔑視発言・セクハラ・ストーキング
どれも露骨に表現をされており、観る方によっては大変不快に感じるでしょう。
冒頭でゲストハウスの男性が、りんごを食べてしまったハーパーを責めるようなシーンがありました。ここは「創世記」に出てくるアダムとイヴのくだりで蛇にそそのかされたイヴが禁断の果実を食べアダムもイヴも追放される有名なシーンを彷彿させ、女性=白痴というスタートから女性蔑視
が始まっていたのかとも取れます。
男性が飛ばしたタンポポの綿毛をハーパーが否応なし吸い込むシーンもタンポポの綿毛を精子に見立てて、性的同意もなしに体内に侵入したというメタファーなのか、ラストも男性から次々と生命が誕生していくのも旧約聖書的な状態で印象的でした。(生まれるのは男性だが)
ちなみにハーパーは、終始男性に何を言われても塩対応。むしろ軽蔑すら感じられる態度でした。
タイトルにもある通り、全て違う職業の男性でもハーパーにはMEMでしかない。そして男性は、配偶者も含め全員失礼。
最後に迎えに来た救世主は友人の女性であることも考えると、女性蔑視をテーマにした映画かと思います。
非常に不思議な世界観でグロテスクなところに目を取られがちですが、平和なシーンに色々伏線が張られていますので、もう一度確認しながら観たいなと思える作品。