もうみぃ

MEN 同じ顔の男たちのもうみぃのレビュー・感想・評価

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)
4.0
予想以上に理由のわからないメタファー映画だったのと邦画のタイトルが私には邪魔でしかなかった。
「同じ顔の男たち」ってネタバレ全開なタイトルだったのに「同じ顔の男っていつ出てくるの?」って身構えちゃって最後まで同じ顔の男が出まくってることに気づけませんでした。
双子みたいな全く同じ顔の人がたくさん出まくる話だと勘違いしちゃったので普通に原題のままの「MEN」(男たち)ってタイトルにしてほしかった。

監督が進撃の巨人に影響されたという話があるようなんですが確かに進撃の巨人っぽさがあちらこちらにあふれてましたね。
ただ家の外に裸の男がいるだけで無茶苦茶怖かった。
前半の美しい風景とは反して、ふとした映像が心理的に怖かったし最後の衝撃的なマトリョーシカのシーンからしても斬新なホラー映画でした。

他にもトンネル内で自分の名前を叫んで山彦を楽しんでたハーパーが印象的だった。
自分の名前を叫ぶの恥ずかしくないんだね。


ここからはネタバレとは違うと思いますがメタファーに対しての個人的な解釈を述べていきますので自己責任でどうぞ

別荘の部屋(赤い壁紙)=子宮
扉を開ける=受精
扉を閉める=拒絶
トンネル=産道
タンポポ=無融合生殖
りんご=エデンの園
同じ顔の男たち=精子たち
ハーパー=卵子(イヴ)
ジェフリー=境界性パーソナリティ障害
ライリー=妊婦フェミニズムの象徴
グリーンマン=子孫繁栄の象徴

他にも数え切れないくらいメタファーがあった。

最後にハーパーがスッキリした表情で家(子宮)の外にいた(出産した)姿も生まれ変わってサーモンピンクの衣装を着ている彼女=生まれたての赤子を揶揄してるように感じた。

男女によっても人によっても解釈が様々だったりするところがこの作品の醍醐味ですね。
もうみぃ

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