鑑賞予定ではなかったが、ホームページを見てなんとなく劇場へ。パンフレットの装丁が上品で小洒落ていたのも鑑賞の決め手。
(しかしこのパンフレット誤植が多い。私は初版本に誤植を見つけたら重版分と比べてニヤニヤするタイプの人間なのでむしろ楽しいが)
綾瀬はるかがアクション巧者であるらしいことはどこかで目にしたことがあったが、大正モダンな世界観の中綺麗なドレスでリボルバーを撃ちまくる画力は映画館で鑑賞して良かったと思わせるだけのものはある。
ただ、主要キャストがイマイチ役にハマっておらず、(板尾創路や阿部サダヲ、ジェシーなど…)綾瀬はるかや豊川悦司らの魅力頼みになっている感あり。
しかしその中でも短い時間で抜群にキマっていたのが、内務省の役人を演じた吹越満！
オールバックに黒縁丸眼鏡でタバコを燻らす姿は実に雰囲気が出ていて素晴らしい。
主人公の相談役で元軍人の長谷川博己と吹越満の息詰まる腹の探り合いは今作のベストシーンに挙げたいほどだった。
私は邦画があまり得意でないのでかなり厳選して観に行くのだが、今作はヒットと言っていい一作と感じる。
(スパイ映画感はさほどなかったのでそこは残念だが…)
その時代に入り込んだような感覚が味わえるのが映画の良いところだが、それが今作からはしっかり感じられたからだ。
ラストカットもきっぷのいい終わらせ方で非常に好印象。
恐らく、地上波や配信では面白みが半減する作品と感じたので、もし鑑賞を迷われている方がいるなら、パンフレットも併せておすすめする。(誤植多いが)
