ボギーパパ

リボルバー・リリーのボギーパパのレビュー・感想・評価

リボルバー・リリー(2023年製作の映画)
2.5
劇場2023-58 TCサクラマチ

綾瀬はるか・・・
彼女は偉大なる俳優の一人だと思う。情緒たっぷりの演技もさることながら、アクションの魅せ方も素晴らしい。今回はそのアクションをしっかり堪能させていただきたい。
監督・行定勲さん。長谷川博己さんにも期待。
邦画では珍しい女性スパイもの。舞台は大正時代と、予告編でここまでは確認。その他は情報摂らず鑑賞。  

まず第一に、公開時期を誤ったか、、、
世界のトム様が満を持して渾身の某シリーズを公開して間もないタイミングでスパイ映画となると、どうしても比較してしまう。

スパイ映画となるとマクガフィン争奪戦が肝となるわけだが、あちらもあれっ?って思うブツだったけど、こちらはもっと???が着く。このマクガフィン自体の由来というか、なぜそれを奪い合うのかという重要なポイントが、本作今一つ判りづらい、、、後になってようやっとふんふんなるほどとなるのだが、少々もったいぶり過ぎたか、、、というのが個人的な感想。

そしてなんといっても、予告編で目にした吹越満の「小曽根は幣原の最高傑作、、、」云々というワード。ここに大いに期待していたのだが、、、

確かにリリーは強かった。しかしそれだったら
①どうしてそんなに強いスパイになったのか
②それまでの暗躍ぶりを文字のみでサラッと紹介するだけではその真の強さがわからない。
リリーの強さの裏付けがないため、全編通じてアクションが空虚に映ると思うのは私だけだろうか?

例えばジョン・ウイックは①はおろか②も全く説明してはいないが、そのアクション自体を通じて強さを観客に訴求してくるが、本作はそこが無い。たいへん残念!
幣原機関のスパイ養成メソッドなり、機関そのものについてもう少し説明が必要なのではないだろうか?
最高傑作ならばその最高さの背景を説明してほしかった。タイトルにもなっているリボルバーを使う意味もよくわからない。
作品的にスパイの強さより、女性として、母として、の強さを描こうとしたのであろうが、、、残念。

はるか様の美しさは十分に堪能できたが、大正ロマンのモガファッションと和服でスパイアクションはやはり無理がある。ガンアクションは素晴らしかったが、、、

説明が欲しい点はまだある。
①謎の男(ホントにあの人が演じているのか?)のリリーを狙う動機づけ。最高傑作と競いたいのならその部分の説明がほぼ無い
②白婆の意味
③佐藤二朗がなにをリリーに囁いたか、そしてどうしたか?描かないとしても回収を仄めかすところは欲しい。
④佐藤二朗の組の位置に関して
これらは一体全体なんだったのか???
当方の理解力不足はもちろんあるだろうが、それにしても足りていないと思わざるを得ない。

文句ばかりで情けないが、
さすがにあれだけの騒動を軍が起こせばヤバいだろ、、、そして至極現実的な山本大佐の言葉は腑には落ちるが、興は冷める。

そしてもう一つ、Jの人たちの下手くそ演技に辟易とした。個人的に嗚呼残念。
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