サンダンス映画祭にて。

主演のジョン・ボイエガ、絶望的な状況に陥る男の演技がすばらしい。感じる緊張感の大部分は彼の演技から来ていると思う。
2017年の出来事に基づくスリラー。

主人公ブライアンは妻子と別れ一人で暮らす元軍人。彼がある日爆弾を持って銀行に立て籠る。

ブライアンは意を決して何かをしようとしているのはわかったが、典型的な銀行強盗犯のような行動ではなく、どちらかと言うと決行する直前にもかなりの動揺と迷いが見える。

彼は一体なんのためにこんなことをしているのか。それが徐々に見えてくるにつれ、他の方法があるんじゃないか？と思うのだけど、それってやはり平和な第三者の視点だからなんだろうな。

退役軍人に対する不適切または杜撰な役所仕事、昔ほどではないにしろ今もある人種差別の歴史の積み重ね、巨大で強力な国家と個人…と考えると正攻法で訴えても相手にされないか時間が膨大にかかるかだろうと想像できる。

ブライアンにはそこまでの余裕がないし、ゆっくり考えるゆとりがあったらあんなことはしてないと思うし。

これも間接的に戦争が生んだ悲劇。こういう事件が起きても制度の改善に至らないのかねぇ。


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