「お前は分離主義者じゃない、奴隷だ。」
立場は違えど、作品に登場する彼らは皆同様に戦争の奴隷と化していた。そうならざるを得ないのだろうと思った。
正しい判断など出来るわけがない。
「何故危機的状況にありながら自宅に留まったのか」
「何故イズムを捨てて、妻を,姉を守る選択ができなかったのか」
「何故環境を踏み荒らすことでしか歩むことのできない兵士となってしまったのか」
乏しい情報と差し迫った状況の中でじりじりと疲弊し、焦り、混乱していく。
苦しみしかない。
それにしても、日常を一撃で破壊するミサイルと瓦礫の中で哭泣し踠きながら出産する女の悲惨さはあまりに衝撃的で、脳裏に深く刻み込まれてしまった気がする。
自然の美しいショットがいくつかあったが、そんな景色でさえも鬱陶しいと感じてしまう程疲弊してしまった。