ノラネコの呑んで観るシネマ

サムシング・イン・ザ・ダートのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

3.8
LAの安アパートで出会った、二人の冴えない青年リーヴァイとジョン。
ある日リーヴァイの部屋に放置されていた奇妙な結晶が、光を放ち浮遊したことから、彼らは現象の謎を解き明かすドキュメンタリーを撮り始める。
監督のジャスティン・ベンソンとアーロン・ムーアヘッドが、主役の二人を演じる自主制作体制。
よくあるモキュメンタリーかと思わせておいて、映画は次第に「アンダー・ザ・シルバーレイク」を思わせる不条理劇を指向するが、ほとんど二人の会話だけで展開するのが特徴。
謎が謎を呼び、彼らもお互いの過去を探り合う。
二人は現象にも納得出来る解があると考えているが、果たしてそんなものはあるのか。
全ては偶然が積み重なった、必然に向かっているのではないか。
解釈含めて一筋縄ではいかない作品で、所謂”珍品”の範疇だと思う。
こんな変な映画を撮ったベンソンとムーアヘッドがマーベルに雇われて「ロキ」のドラマ撮ったというから、ハリウッドはやっぱチャレンジャーが好まれるんだな。
万人向けでは無いが、個人的には好物。