同時期に長回しに目覚めた同郷のタル・ベーラ同様モノクロの長回しに拘ったこの作品、まさにタルコフスキーだとかキアロスタミだとかソクーロフだとかの長回し芸術映画の要素をてんこ盛りにしたものとなっていて堪らない。
長回し芸術の作品らしく途中で睡魔にも襲われるそうにもなるが、この陰鬱かつ深遠な映像世界はド好みで心が震えた。
監督の没後20年になっても日本に紹介される兆しがまるで無いから日本の劇場での鑑賞は望み薄と言わざるを得ないが、この隠れた名品はもう少し映画ファンとかにだけでも知られるべきなんじゃないかと思う。