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PIGGY ピギーのsymaxのレビュー・感想・評価

PIGGY ピギー(2022年製作の映画)
3.5
"ブタクジラ捕獲…"

その容姿故に"小豚"と馬鹿にされ、陰湿且つ容赦の無いイジメの標的となっている高校生サラ…

一人プールで泳ごうとするところで、謎の男と遭遇…そして、最も遭いたく無かったクラスメイトと鉢合わせ…当然の様にイジメられるサラ…

クラスメイトはサラの服やタオル等一切合切を持ち逃げしたのだ…仕方なく裸同然の水着で帰る事となったサラ…

逃げるように人目を避けながら裏道をひた走るサラの目の前に不自然に停まっているトラックが目に入る…よく見るとトラックの後部座席には、血まみれのクラスメイト…

…静かに左手を振り、小さく頷くサラ…

トンデモないインパクトのポスターに惹かれての鑑賞…

"リベンジ・ホラー"としてのウリではありますが、そんな単純な話ではなく、とても複雑な心情を覗かせ、"ズン"と重みのあるスリラー…中々の秀作でありました。

本作、スペイン映画ですが、かなり過去のホラー作品のリスペクトを感じさせます…そもそもイジメられっ子が主役なのは"キャリー"ですし、肉屋ってのも"悪魔のいけにえ"的な…

荒い画面に乾いたスペインの感じは、かなり"悪魔のいけにえ"を意識しているのは確かなのでは?

"肉屋の娘"でかなりの"デブ"…この時点でかなりのイジメられポイントが高い主人公サラ。

しかも、このサラ、性格もかなりひねくれているような感じがビシビシと画面から溢れています。

とは言え、サラが受けるイジメはかなり悲惨なモノでサラが腐るのも仕方がないのかもしれません…

そこに現れたのが…白馬の王子ならぬ、悪魔の大王的なサイコパス…で、そのサイコパスがサラをそっと見守る…かなり気色悪いやり方なんですが、サラは何故かそのサイコパスに惹かれていくという…

途中、ややテンポが悪く、中弛みしてしまうところがあるのは、ちと残念ですが、これどーなるんだろ?という展開は、最後まで目が離せませんでした。

サラの複雑な心境が目まぐるしく駆け回るクライマックスには一見の価値があります。
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