【歪んだ救世主】70点
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監督:カルロタ・ペレダ
製作国:スペイン
ジャンル:ホラー
収録時間:99分
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ジャケットがなかなかのインパクト大。失礼ながら凄いキャスティングをしてきたものです。内容は、肥満が故にいじめられている一人の主人公を、とある男が庇うのですが、その男が加害者を拉致して暴行を加えていくというもの。サラの微妙な心境の変化がところどころに伝わりますので、見ていて興味深かったです。
タイトルのピギーとは子豚のことであり、サラのことを指しているのは間違いないでしょう。残念ながら古今東西、肥満傾向で意思表示がはっきりしない人は、集団から疎外される傾向にあります。冒頭からサラへの罵倒暴言が飛び交い、誰かこいつらを懲らしめてくれと思ってしまいます。そこで出てくるのがプールで鉢合わせた謎の男です。この男は大胆にも加害者側を車で拉致して暴行を加えていくのです。
さて、この状況を目の当たりにしたサラはどうするのか。自分をいじめてきた連中が何だかよくわからないけども酷い目にあっているため、いい気味だと思うのが普通でしょう。しかし、腐ってもクラスメイトであるため放っておくわけにもいかない。サラの本心と良心が錯綜するシークエンスです。また、この男はサラに興味があり、サラはそういう経験を滅多にしたことがないようなので、まんざらでもないと思えてしまうのです。男からするとライバルがいない、ということになりますので支配欲がより強くなってしまいます。サラは最終的にはどういった判断をするのか。。自分にとってこの男は救世主なのか、それとも。。
ジャケットのインパクトがなかなかでしたので鑑賞しましたが、まずまず楽しめました。展開はよくあるものかもしれませんが、サラの心境の変化を読み取るのが面白かったですね。でも、あらためていじめは本当によくないよ、と当たり前ですが思いました。