The film of the year so far.
パーティを抜け出してフィギュアスケートの演目を説明するシーン、最後のスケートに戻る決意をしてからの演舞シーン、色々この映画を好きな理由はあるけど、結局はそのシーンが好きすぎたということに尽きると思う。
ゼット世代向け、ティーン向け、女性や、性的マイノリティのための映画、と括ると、特定の人のための映画のような気がして、すごく見る層を狭めてしまうし、それはこの映画の本質ではないと思う。もっと普遍的なメッセージがこの映画には込められている。
年齢や性的趣向にかかわらず、誰にだって好きな人と同じ方向を向けなくて傷ついたり、相手のことを思うからこそ考えすぎて相手を傷つけてしまったり、突然現れた魅力的な人に惹かれて、一時の感情に身を任せ、今までつみあげてきたものを壊しそうになったり、そういう経験があると思う。そういう多くの人が共感できるような経験を、無理のない、美しい物語を通して描いたのがこの作品だと感じた。