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ガール・ピクチャーのxavierのレビュー・感想・評価

ガール・ピクチャー(2022年製作の映画)
3.8
これは、ありのままの自分と向き合う物語…
ミンミとロンッコは同じ学校に通う親友同士。放課後になると二人はスムージースタンドのアルバイトに出て恋やセックス、将来についての不安や期待について話し合っていた。かねてから男性と過ごしていても何も感じない自分に違和感を抱いていたロンッコは、理想の相手を求めパーティーに参加する。
彼女について行ったミンミは、そこで大きな試合を前にナーバスになっているフィギュアスケーターのエマと出会い…
ストーリーはこんな感じ。
3人の少女の青春物語。各々が悩みを抱えている。
ロンッコは他の同級生の性体験の話を聞き自分もそうなりたいと思っている。自分から積極的に男性に話しかけ、良い雰囲気にはなるものの、そこからの進展がない事を悩んでいる。多分ロンッコは性体験をしたいものの心の底では、そうなる事を拒否する意識があるんだと思う。だから良い雰囲気になっても、そんなロンッコの気持ちに気づいた男性が引いてしまうから上手くいかないんだと思う。でも、その事にロンッコ自身が気付いていない感もある。

ミンミはロンッコ以外とはコミュニケーションを取ることが苦手みたい。そんな気持ちを隠そうと冷たくあたる感じがあるしね
そんなミンミはあるパーティーでエマと出会い、恋に落ちる。性別を越えて自分を曝け出せるエマに対して溺れていくミンミ。
でも、何に対しても臆病な面も…
ミンミは両親が離婚し、母親に引き取られる。母親との関係は良好だったものの、母親の再婚により、その関係は変わってしまう。母親としてはミンミも大事だけど新しい家庭も大事で、また再婚相手との間に子どもが出来、なおさら母親はそちらの方が大事になって行き、ミンミとの約束も忘れがちに…
ミンミはそんな母親に対して怒るでもなく自分が悪いと思ってしまうようになっていく。自分の存在が相手が大切にしてるものを壊してしまうのではと気を使う様になってしまった。なんか可哀想だよね、自分の気持ちをぶつけられないんだから。
そして、その事はエマとの関係にも大きな影響を与えてしまう…

エマは最初はミンミを毛嫌いしていたもののパーティーで意気投合した結果、恋に落ちミンミに溺れていく。その影響は、フィギュアスケートにも出てくる。今まで練習に遅れたことも無かったエマがミンミとの時間を大切にするあまり遅刻してしまう。そしてその事がキッカケとなりフィギュアを辞めるってところまで行ってしまう。
でも心の底では辞めたくないってのも見え隠れする。ジャンプの練習で太腿に大きな痣をつくり、それを気にもしないところにフィギュアへの愛が感じられるしね。

そんなエマを見てるもんだからミンミは自分と居ない方が…と思うようになっていくんだわ。そしてミンミは……
なんか切なかったわ。ホントの自分はそうじゃないんだから。
人の事を考え過ぎて、本来の自分が出せない…ってお互いに不幸だもんね。

だから3人の笑顔には救われたね。
北欧の青春ものは甘酸っぱかったです…
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