Kaji

野獣の血のKajiのレビュー・感想・評価

野獣の血(2022年製作の映画)
3.5
韓国ノワール作品として新しい挑戦をしていたか、という点では並品ですが「うっわ〜〜ヤクザ映画見た〜」って嬉しくなっちゃうぐらいの王道。
こだわり・別れ・しがらみ・利権争い・友の裏切り・ラスト海辺のフルコンボ。
板挟みになるにつれ、表情が硬くなる主人公を哀切さを乗せて演じたチョン・ウ俳優いい仕事してます。

何しでかすかわからないムソンさんや、過去えげつないワルだった感が柔和な笑顔から漏れ出て計り知れないキムガプス先輩、無鉄砲で火花のようなイホンネ君。

本作、釜山が舞台なのでゴリゴリのサトゥリも効いてます。
何より釜山が舞台だと港利権が入ってくるので権力構造がソウルや他の地方都市とも違うってところを生かしたプロット。
時代はちょうど「悪いやつら」でも入ってきていたホテル利権が崩壊するあたりです。

人間関係図が一瞬「あれ?どっちが?どっち?」って迷子になるんですが、整っていきますし、オープニングとクライマックスのリンクが渋かったです。
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