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アイ・アム まきもとのCinemanのレビュー・感想・評価

アイ・アム まきもと(2022年製作の映画)
5.0
《乱れ撃ちシネnote Vol.70》
『アイ・アムまきもと』
水田伸生監督
2022年公開 日本
鑑賞日:2023年3月12日

市役所福祉課で働く48歳独身一人暮らしの牧本荘は孤独死した人の後始末をする「おみおくり係」を任されています。
慎重でマイ・ペースで一切空気を読めない変わり者ですが周りが迷惑がるほど仕事には熱心な牧本です。
もちろん友だちは一人もいませんが本人はそれも気にしません・・・。

『アイ・アムまきもと』は阿部サダヲの代表作じゃないかな。

【Story】
省内市役所福祉課のおみおくり係で働く48歳独身一人暮らしの牧本荘は身寄りのない亡くなった方の遺体を引受けて火葬、埋葬しています。

マイペースな上に空気を読めない牧本には福祉課のメンバーも警察も葬儀屋も呆れるしかありません。
仕事は一生懸命にやっているのですから。
ただしその仕事ぶりが周囲の人の迷惑なども顧みないほど熱心すぎるからみんなに煙たがられています。

ある日牧本のアパートの向かいに住んでいる蕪木孝一郎が亡くなりました。親族が遺体を引き取りたくないと言うので、
牧本が引き取りに行きます。

牧本は蕪木の家で塔子という名前の少女の写真が貼ってあるアルバムを見つけ、塔子探しと蕪木の葬儀に参列してくれる人を探すことにしました。

ほとんど資料の残っていない蕪木孝一郎の知り合いを手繰り寄せて葬儀に参加するように牧本が要請しますが、
嫌われ者の鏑木の葬儀には参加しないという返事ばかりでした。

ところがある人と出会うことによって蕪木孝一郎の隠された素顔が見え隠れし始め・・・

【Trivia & Topics】
*原作について。
原作はウベルト・パゾリーニ監督の『おみおくりの作法』で、2013年に開催された第70回ヴェネツィア国際映画祭のオリゾンティ部門で初上映され監督賞を含む4賞を受賞しています。

*宮沢りえ。
満島ひかり、國村隼、宇崎竜童、でんでん、松尾スズキなどのキャスティングが見事でしたが宮沢りえには気が付きませんでした。
宮沢りえの気配が感じられなかったんです。
最近では『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016)の宮沢りえがとても良かった。
『湯を沸かすほどの熱い愛』以降彼女が出演している作品は3本。
『人間失格 太宰治と3人の女たち』(2019)『日本独立』(2020)と『決戦は日曜日』(2022)。
太宰には興味がないのでとりあえず他の2本から観ようかな。

*阿部サダヲ。
最初に目についたのはテレビの「池袋ウエストゲートパーク」(2000)だったかな。
風俗が大好きな警官というバカな役で笑わせてくれた。

その後『下妻物語』(2004)の一角獣の龍二で登場した時には馬鹿だね阿部サダヲはと大喜びして大好きになった。
最近では『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017)が凄い。

サディスティックな蒼井優とマゾヒスティックな阿部サダヲが絶妙なコンビネーションで演じた純愛ものだ。
阿部サダヲはこの作品で第60回ブルーリボン賞主演男優賞受賞。同じ年に『舞妓Haaaan!!!』で第31回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を阿部サダヲは受賞してるけれどこの作品はつまらなかったけど。

【5 star rating】
☆☆☆☆☆
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