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原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たちの作品紹介

原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たちのあらすじ

2014年。関西電力大飯原発の運転停止命令を下した樋口英明裁判長は退官後、日本の全原発の危険性を説く活動を始めた。それは誰もが理解できる“樋口理論”である。そして、逆襲弁護士・河合弘之は “樋口理論”をもって新たな原発差止裁判を開始した!一方、福島では放射能によって廃業した農業者・近藤恵が農地上で太陽光発電するソーラーシェアリングに農業復活の道を見出し、東京ドームの面積を超える太陽光発電農場を始動させる!「原発をとめるために!」と。

原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たちの監督

原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たちの出演者

原題
公式サイト
https://saibancho-movie.com
製作年
2022年
製作国
日本
上映時間
92分
ジャンル
ドキュメンタリー

『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』に投稿された感想・評価

様々な社会問題がある中で、私はとりわけ原発問題に対して関心があります。それには訳があって、実はもう他界している私の父が原子力村※の村民だったからです。

約半世紀前、私が子供の頃にTVドラマ「3年B組金八先生」のオープンニングに映る事でお馴染みの足立区を流れる荒川の土手の上を父と二人で散歩をしていた時、父は原子力発電の仕組みを嬉しそうに得々と私に話して聞かせてきました。今でも覚えていますが「そのうち石油は無くなるんだから原子力は必要なんだ」「放射性廃棄物を何処に捨てるのかはまだ決まっていないんだ。でも技術が進んで将来は解決される予定だ」等々。
父は福島の原子炉の見積りやら原子力船むつの設計にも関わっていたようです。ある日、我が家の朝食の食卓に点いていたNHKのニュースに原子力船むつの放射線漏れのニュースが唐突に流れた時、「そんなの遮蔽を増やせばいいんだよ!遮蔽を増やせ!」と険しい表情でTVの方を睨みつけ怒鳴ったことも覚えています。おそらく自分が関わった仕事に対してNHKにケチをつけられたと思ったのでしょう。

東日本大地震が起きたあの日父は病院のベッドの上にいました。3月7日に胆管癌の手術を行い術後麻酔で四日間眠らされ、丁度あの日が麻酔を外す日でした。私と母は麻酔から醒めた父に面会する為に病院に向かっている最中に揺れが来ました。

父は家族思いで家族の為に真面目に働いた人でした。
大して遊ぶ事もせずに趣味といえば囲碁将棋に読書、私と同じく映画鑑賞にジョギング。念願だった自分の家を千葉県柏市に建て悠々と老後を過ごそうとしていた矢先でした。
癌と原発事故。
汗水垂らして働いた結晶としての持ち家のその屋根や庭の上に福島から放射能が降って来ました。原発の爆発によって空中に舞い上がった放射性物質が雲状(プルーム)となり上空の風に乗って移動し我が家の上で雨となって降り注いで来たのでした。
柏市は首都圏のホットスポットと言われ、我が家の雨樋の下の窪みに屋根に降った放射性物質が集積された線量は1.318μシーベルト。
当時、私の娘で父の孫娘は満一才。父にとって誰よりも可愛いその子が暮らす家の上に父が関わった原発が産生した放射性物質が降り注いだのでした。
大分理性的な判断がつき難くなっていた晩年の父は、素人の私でも当時のニュースから聞き知っていたセシウム137の半減期が30年であることを告げると「そんなに長いのか」と暗い表情をしたのも昨日のことのように覚えています。
父は退院後一年をその家で過ごして亡くなりました。

昔話が過ぎました...

本作はタイトルが示す通り反原発の動きを紹介するドキュメンタリー。
2014年関西電力大飯原子力発電所の運転停止命令を下した福井地裁。本作で紹介されるのはその時の裁判長であった樋口英明さんの展開した樋口理論。

「日本の原発は地震には耐えられない。よって原発の運転は許されない」
樋口さんの出した判決の結論。
(2014.5.21福井地裁:関西電力大飯原発3・4号機運転差し止めを命じる判決。2018年名古屋高裁にて運転停止命令が取り消される)

地震の大きさを示す単位は震度やマグニチュードで表わされ、地震が起こると両者は速報で目や耳にする。
もう一つ、観測地点での地震の加速度を表すガルという単位でも表されるがこれは発生時に直ぐには伝えられなくて我々には馴染みが薄い。
原発がこの加速度までは耐えられるという耐震性を表す基準地震動はこのガルで表される。
例えば...
川内原発1・2号機--620ガル
伊方原発3号機-----650ガル
高浜原発3・4号機--700ガル
大飯原発3・4号機--856ガル
(いずれも現在稼働中)
これに対して実際過去に日本で発生した地震のガルの値は...
東日本大震災----2933ガル
新潟県中越地震--2515ガル
熊本地震--------1791ガル
ちなみに住宅メーカーの耐震性能は...
三井ホーム---5115ガル
住友林業-----3406ガル

樋口理論というのはこのガルの値に注目して原発には耐震性は無いとしている。
こんなに単純かつ明快な結論にはビックリした。こんなに分かりやすい話をこれまで何故誰も唱えなかったのか。あったのに広がらなかっただけなのか?たぶん私が知らなかっただけなのでしょう。あまりに明快過ぎて「ウソでしょ!」と思ってしまった。

本作が伝えている事実のもう一つが原発に頼らないでエネルギーを得ようと、各地の農家で既に展開されているソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)の試み。農地の上に太陽光パネルを設置して日射量を調整しつつ、農作物と同時に太陽光でエネルギーを産出する仕組みだ。
東日本大震災による福島原発のメルトダウンで壊滅的な打撃を受けた福島の農家の方々が、農地にソーラーパネルを設置して農産物の収穫と同時に原発から再生可能エネルギーへの転換を図っている。
彼ら若手の農業従事者の活動からは、もう悲劇は繰り返したくないという前向きの決意を強く感じる。

終映後に監督の小原浩靖さんがスクリーンの前に立って話をしてくれた。
「皆さん、これからはガルガルガルガル言いましょう」と柔らかい語り口で話されていた。こういうドキュメンタリーを作る方なのでなんとなく尖った方なのかなと想像していたが全く違った。最後に皆さんから何か質問がありますか?と客席に振られたので、「夢のような話が許されていた半世紀前ならいざしらず、気象条件によっては国家が亡くなっていたかも知れない大災厄を経験した現在でも、なぜ日本では原子力村は無くならないのでしょう」と聞いてみたかったけれど他者の質問時間が長くて時間切れになってしまった。

※原子力村:原子力発電界の産官学の特定の関係者によって構成される特殊な村社会的集団のこと。
mako

makoの感想・評価

3.9
《我が国の原発の耐震性は極めて低い。》
◎79点

原子力発電の危険性を伝えるために人生をかける元裁判長。
放射線被災で一度はあきらめた農業を太陽光発電とともに蘇らせる福島の人々のドキュメンタリー映画です。

2014年。関西電力大飯原発の運転停止命令を下した樋口英明・福井地裁元裁判長は、定年退官を機に日本のすべての原発に共通する危険性を社会に説く活動をはじめた。それは、原発が日本で頻発する地震に耐えられない構造であることを指摘するシンプルかつ、誰もが分かる揺るぎない“樋口理論”である。
そして、日本中の原発差止訴訟の先頭に立つ弁護士・河合弘之は、この“樋口理論”をもって新たな裁判を開始した。

樋口英明氏もその活動も知らずに鑑賞したら驚くような内容でした。
原発の耐震性を分かりやすく解説されていて、またしても政府の杜撰さが分かりクラクラした。
樋口さんの解説を聞く限りとても安全とは言えないのにそれでも原発を運転させてる。
確かに原発がないと電力は賄えないかもしれないが、これから南海トラフ地震や首都直下地震も起きると言われているのに運転させて大丈夫なのかと心配になりました。
福島の原発事故、奇跡があったからあの程度で済んだという話を聞いて、もしそれが起こらなかったらという話がありゾッとした。
本来起きてはいけない構造的欠陥が、結果的にそれで救われたという奇跡。
そして本作でも黒塗り文書が出てきてまたかと思わされる。
原発の耐震性の数値が低く、住宅メーカーの耐震性より低いって驚きました。この国、本当にヤバいな。


一方、被災地福島では放射能汚染によって一度は生業を離れた農業者・近藤恵(けい)が農地上で太陽光発電するソーラーシェアリングに農業復活の道を見出す。近藤は、反骨の環境学者・飯田哲也の協力を得て東京ドームの面積を超える日本最大級の営農型太陽光発電農場を始動させる!福島で太陽光発電農業を実践する農業者たちは口々に言う、「原発をとめるために!」と。

こちらの方は、原発を止め、環境にもいい太陽光発電で農業復活を目指す農業者たち。
ただ、ソーラーパネルの問題点には言及されず、良いところばかり紹介されていたのが気になった。
太陽光発電は、環境に優しいと謳われているが、デメリットもいくつかあるのに。
なので、点数減点にしました。

でも観てよかったです。
また勉強させて頂きました。



観客 ?
劇場鑑賞 #130
2022 #143
真一

真一の感想・評価

4.0
 原発再稼働への動きを加速させる政府、与党、電力業界、マスコミといった巨大勢力の同調圧力に屈せず、勇気を持って「断固NO」の判決を言い渡した裁判官がいた。福井地裁の裁判長として関西電力に対し、大飯(おおい)原発の運転差し止めを命じた樋口英明(ひぐち・ひであき)さんです。

 樋口さんは、権力側から蛇蝎のごとく嫌われ、敵視されたこの歴史的な司法判断を、なぜ下したのか。リベラル派というわけでもなく、左派というわけでもなく、原発についての造詣が深いわけでもない樋口さんを「原発NO」へと突き動かしたものは、何だったのか。本作品は、退官した樋口さんの貴重な証言を収録するとともに、後に樋口判決を葬り去った二審判決にも言及する。民主主義における司法の独立の重要性と、それを守るのは私たち一人一人の声だという事実を明らかにしていくドキュメンタリーです。

 人類史上に残る原子力災害となった東京電力福島第1原発事故から、わずか3年後の2014年。再び原発推進に舵を切った安倍政権の下で、関西電力は、定検中だった大飯(おおい)原発3、4号機の運転再開を目指していた。これに対し、地元住民らは、福井地裁での訴訟で運転差し止めを主張。これに耳を傾けたのが、裁判を指揮した樋口さんだった。さまざまなデータを突き付けて「安全基準を満たしている」と繰り返す関電の主張を退け、同年5月に出した判決文にこう書き記した。

「この地震大国日本において,基準地震動を超える地震が大飯原発に到来しないというのは根拠のない楽観的見通しである」

 「大飯原発に大地震が来るわけがない。反原発をあおるな」という政府、電力会社、原発専門家の大合唱を、門外漢の樋口さんが一刀両断に切り捨てた瞬間だった。よりどころにした論拠は、日本国憲法が保証する生存権の不可侵性だ。後日、退官した樋口さんが、原告弁護団長との対談で語る。

 「原発が危険だと思ったら止める。思わなかったら、止めない。そう考えて、審理に臨んだのです」

 これこそが「常識」と言われるものだと痛感した。

基準値振動をクリアしたとか、なんとかレベル未満に収まったとか言っても、巨大地震が来たらフクシマの二の舞ではないか―。こうした国民の常識を物差しに、樋口さんは判決を下したのだった。

 この判決は、18年7月の名古屋高裁支部判決により破棄された。最高裁での敗訴確定を恐れた原告側が上告を避けたため、訴訟はこれにて確定した。原発に反対する人々に希望を与えた樋口判決は、歴史に埋もれつつある。そして「原発事故はあり得ない」とする「安全神話」が、再び猛威を振るっている。そんな中、樋口さんは今、あの樋口判決に込めた思いを車座集会や学習会で語り続けている。決して上手なスピーチとは言えないけれど、一市民として、真剣な眼差しで訴える樋口さんの姿に胸を打たれる。

 ニュースを見れば、国と東電は今夏のうちに、あの福島原発から出た「処理水」を、太平洋に放出するという。処理水は、放射能まみれの汚染水を、ALPSという装置を使って「浄化」した水だ。「処理水は安全に決まっている。危険だと主張するのは、風評被害への加担だ」と訴える国の言いぶりは、福島事故が起きる前に「原発は絶対に安全」と偉そうに主張していた当時の専門家とそっくりだ。樋口さんがよりどころにした「国民の常識」が、ないがしろにされている気がしてならない。本作品を観て、そんな感想を抱きました。

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