nere795

イル・ポスティーノのnere795のレビュー・感想・評価

イル・ポスティーノ(1994年製作の映画)
4.8
自分がであった最高にして珠玉の一品
すべてが美しくまた哀しい
言葉の美しさとそれがもつ力と限界でもある
病をおして頑張っていた主演にして脚本のひとりでもあったトロイージは
クランクアップ直後に亡くなっている…

キーワードがあるとすれば、メターフォラ・暗喩
学問のなかった主人公は、具象で表現されたものの抽象的な意味を知る
それは、この映画そのものの構造をも暗示しているのだ、と思う
美しい南イタリアの自然は普遍的な価値である友情のメターフォラであるにすぎなかった
それを死を前にした主人公がその苦しみをこらえてもどうしても表現したかったのだと想うと、自然と涙がこぼれ出てくる
映画だからできること、映画でしかできないこと、それをこの作品は示しているのだ、と
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