このレビューはネタバレを含みます
親愛なるドン・パブロ。
マリオです。忘れてないといいけど。
それはともかくとして、以前おれに言ったこと覚えているかな?
あなたの友達に島の美しいものを言えと。
おれは言えなかった。
だけど今はおれにも分かった。
だからこのテープを送る。
よかったら友達と聞いてくれ。
ドン・パブロだけでもいい。
あなたは忘れない。
おれとこの島のことを。
おれは詩を書いた。
あなたがいなかったら詩など書かなかった。
ネルーダと出逢わなければ、マリオが“世界”を知ることもなかった。
マリオが“世界”を知らなければ、言葉によって命を落とすこともなかった。
でも、言葉がなければ、ネルーダとマリオが“世界”のなかで繋がることもなかった。
誰かの心のポストに、自分の言葉は届いているだろうか。