クリーム

LOVE LIFEのクリームのレビュー・感想・評価

LOVE LIFE(2022年製作の映画)
3.9
世間体を気にして、自分を良く見せたい人達ばかりで、イラッとしますが、世の中に居そうな人達の織り成すドラマは、面白かった。うわべだけの良い人を演じるので、本音がポロッと出たり、行動でボロが出る。助ける=愛と勘違いし、心が置いてきぼりな夫婦のLOVE LIFE。皮肉たっぷりのタイトルが良い。

妙子は前夫の子·敬太と再婚相手·二郎と3人で暮らしている。集合住宅の向かいの棟には、⼆郎の両親が住んでおり、義父が2人を認めない等の問題を抱えつつ、結婚して1年が経とうとしていた。ある日、夫婦を悲しい出来事が襲う。哀しみに暮れる妙⼦の前に失踪した前夫で敬太の父パクが現れるのだが…。



ネタバレ↓



義理の父は妙子を認めておらず「中古品」と心ない言葉を言う。義理の母は、表面上は、夫の態度や暴言から妙子を守るが、「本当の孫を抱かせてね」と無神経で勝手な発言をさらりと言う。
パーティ中に敬太が風呂で頭を打ち溺死すると言う痛ましい事故が起きると義母は、棺を一時帰宅させるのを嫌がったり、息子夫婦から逃げるように引っ越します。
失踪してた元夫パクは、聾唖者で、私が助けてあげないとダメな人だと二郎に言う妙子。失踪後、公園で一度見かけたが彼を見捨て、二郎との生活を選んだ事に負い目があったのかも知れない。
パクの失踪の理由は、はっきりしなかったが妙子の助けたいという態度も一因だったのでは?と感じた。良いから悪いは別として、パクだけが心で動く人に見えた。
二郎も助けたい人。元カノにも頼られると助けたい。妙子も助けたい。でもこの人は、助ける事で、常に自分が相手より優位に立ちたい人に見えた。
パクが韓国の父が危篤で帰りたいから、お金を貸してくれと言い。夫婦は貸します。パクに着いて行く妙子。結局、パクは元妻との間の息子の結婚式に参加したくて嘘をついていた。呆然と雨の中、結婚式で踊る妙子。彼女は、帰宅した。二郎と話合うでもなく、2人が散歩に出かけて行くシーンで幕となる。

妙子も二郎も福祉に携わる一見良い人達。気持ちは優しいのだろうけど、助ける=愛と勘違いしている様に見えた。心が不在で置いてきぼりの人達の空騒ぎ。ラストも何となく元サヤの2人。心が不在のまま続いて行くのだろう。
敬太君の事故に関しては、防げたハズ。子供は何をするか解らないのだから、危険は大人が全員で阻止すべきだった。妙子が駄目なら、回りがサポートするのが当たり前。この人達、人を助けてる場合じゃなかった。皮肉たっぷりなタイトルが面白かったです。
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